2月17日(木) 日本青年館
「シニアの更なる飛躍を期待する」
秋山 弘子氏
(東京大学高齢社会総合研究機構 執行委員 特任教授)
我が国の高齢化は急速に進み、2055年には総人口の41%が65歳以上になると見込まれています。シニアのあり方がこれからの社会を変えていく、と言っても過言ではありません。シニアが主役になって社会で活躍することがますます重要となって参ります。
そうした中、多くのシニアが「シニアネット」に集い、ICT講習などをはじめボランティア活動に邁進し、豊かで充実したシニアライフを目指しております。シニアネットは、このようなシニアの生きがいづくり、地域の振興に重要な役割を果たしています。「シニアネット」は、大変有意義な組織であり、シニアが主役で活躍するために、その普及拡大が急務であります。
高齢化社会におけるシニア個人の人生設計というミクロな課題や社会システムに関するマクロな課題に取り組んでおられる学識経験者に、シニアは今後、どう生きるべきか、シニアの社会参加・市民活動の意義などについて語っていただきます。
基調講演2(13:00~14:00)
「テクノロジーの進化と新たな展開」
加治佐 俊一氏
(マイクロソフト ディベロップメント株式会社 代表取締役社長
兼 マイクロソフト株式会社 業務執行役員 最高技術責任者)
高度情報化社会が進展する中、ICTはますますシニアの生活に深く関わってきております。シニアにとって、パソコンをはじめとする情報機器、インターネットや電子メールの利活用は今やシニアライフを実り豊かにするものとして日常生活に欠かせない存在になってきております。
そこで、ICTの最前線でご活躍されている専門家より、テクノロジーの進化と新たな展開を紹介していただき、急速な発展を続けるICTがシニアの生活にいかなる影響をもたらすのか、そしてシニアライフにいかなる夢をもたらすのかを展望していただきます。
特別講演(14:00~15:50)
シニアネットの2010年代の飛躍に向けて~10年の節目に将来を展望する~
吉田 敦也氏(徳島大学 大学院 教授、地域創生センター長)
多くのシニアネットが創立10周年を迎えました。この間、シニアへのICT普及等地域の情報化や活性化に大きな成果を挙げて参りました。これからはシニアパワーが社会を牽引し、変えていくことが期待され、このような状況の下に、シニアネットもまた進化することが求められております。
そこで、シニアネット等市民活動に大変造詣が深く、自らもシニアネットの責任者としてその設立や運営に関わるなど実証的な研究活動も行ってきておられ、この分野の第一人者であります学識経験者より、この10年を振り返り、新しい時代に相応しいシニアネットのあり方について展望し、この後に開催されるパネルディスカッションに対する問題提起をして頂きます。
また、シニアネットが今後進展してゆくことを支援するために必要とされるツールとしての「ポータルサイト」のあり方について提案していただきます。
パネルディスカッション(14:50~17:15)
【テーマ】シニアのパワーアップとシニアネットの更なる飛躍を!
(コーディネーター)
吉田 敦也氏(徳島大学 大学院 教授、地域創生センター長)
(パネリスト・五十音順)
井上 文雄氏(NPO法人仙台シニアネットクラブ 理事長)
斎藤 富士夫氏(NPO法人湖南ネットしが 理事長)
佐々木 敏夫氏(NPO法人あびこ・シニア・ライフ・ネット 理事長)
臼倉 登貴雄氏(NPO法人イー・エルダー 理事)
高橋 克司氏(NPO法人とかちシニアネット 理事長)
我が国にシニアネットが誕生して以来、10年余が過ぎ、この間多くのシニアネットが全国に誕生し、各地で地域の活性化や情報化促進等有意義な活動を展開し、大きな成果を収めてきております。少子高齢社会だからこそ、シニアが主役となって地域を盛り立てて行くことが求められている中、多くのシニアが集う「シニアネット」が、その牽引役を担うことが期待されております。
この時期に、過去の10年を振り返り、これからの10年におけるシニアネットのあり方について議論することは極めて意義のある重要なこととであります。
今回は、長期間にわたって各地で活躍されているシニアネットの代表者にお集まりいただき、これまでの経緯を振り返り、次の10年に向けて、シニアは、そして「シニアネット」はどう変わり、どう進化すべきか大いに論じて頂きます。
2月18日(金) 日本青年館
2月18日(金) ワークショップ(10:00~12:00)
【テーマ1】「社会に目を向けた自己実現へ」
課題提供者:小池 達子氏(メロウ倶楽部 元会長)
コメンテーター:斎藤 富士夫氏(NPO法人 湖南ネットしが 理事長)
多くのシニアは、地域での活動を通して、シニアライフを豊かで実りあるものにしたいと切望されております。それを実現する場としてシニアネットは大きく期待され、その役割を果たして参りました。
多くのシニアがシニアネットに参加し、生き生きと活動できる魅力あるシニアネット像を皆で考え、実現させていくことは意義深いことと思います。
そこで、我が国のシニアネットの老舗であり全国ネットで活動を続けております「メロウ倶楽部」の元代表より、団体として、また個人としてのお話しいただき、シニアが喜んで参加する魅力あるシニアネットとはどのようなものか、今後の姿を探って参ります。
【課題提供者(小池達子氏)からのメッセージ】
「社会に目を向けた自己実現へ」という抽象的な命題を解くため、先ず「自己実現」とは一般的にどのようなものと考えるかを説明した後、メロウ倶楽部会員で実際に自己実現をしていると思える3名について、その内容を紹介。
またメロウ倶楽部ではどのような形で会員の自己実現をサポートしているか、事例を示して説明し、シニアネットが自己実現に寄与できる方法を探る。
最後に、私自身の自己実現について、若干の報告をする。
—————————————————————————————
【テーマ2】「ICTを学び地域を活性化させる」
課題提供者:森田 出氏(シニアネット水戸 会長 茨城NPOセンター・コモンズ)
コメンテーター:金田 和友氏(ダイヤネット 副代表)
シニアネットは、シニア情報生活アドバイザーの養成やICT講習をとおして、地域社会の情報化、とりわけシニアの情報リテラシー向上を促進し、社会に活力をもたらしております。
これまでの様々な活動によりシニアのICT人口は年々増加しているとは言うものの、残念ながらまだまだ十分とは言えません。シニアネットならではのきめ細かな教え方や仲間同士で楽しく、気楽に学び合える雰囲気をつくることが、ICT普及に必要不可欠な存在であります。
シニア情報生活アドバイザーの養成を軌道に乗せ、自治体との協働をはかり、活動を展開しようとしている、「シニアネット水戸」および「茨城NPOセンター・コモンズ」の活動の実情を紹介していただき、シニアへのICT普及はこれからどうすればよいか、より良いICT講習の方法等も含め、全員で考えていきたいと思います。
【課題提供者(森田 出氏)からのメッセージ】
この世界を覗いて2年、生まれたての小さな団体が、お話しできることは、ご一緒に考えるための事例として、私共の活動の実情を紹介させて頂くことです。小さい故の悩み、施設・設備が乏しい中での活動の工夫もお話ししたいと思います。そこから、シニア層へのICT普及は今後どうすればよいのか、地域の活性化へどう繋げていくのか、より良い講座の方法等も含め、お話合いできればと思います。
1)水戸及びシニアネット水戸の紹介
シニアドとの出会いとシニアド講座開講、シニアネット水戸設立
2)水戸市協働事業「わくわくプロジェクト」への提案採択
今年度の事業実績ならびに来年度事業計画
3)シニアネット水戸のIT講座の特徴
「水戸シニアITリーダ養成講座」と「シニア初心者パソコン教室」
4)市民センター(公民館)での手作り講座から次のステップへの模索
相談会、初級・中級/専科コースへの展開
—————————————————————————————
【テーマ3】「コミュニティ・ビジネスを創出する」
課題提供者:杉浦 裕樹氏(NPO法人 横浜コミュニティデザイン・ラボ 代表理事)
コメンテーター:吉田 敦也氏(徳島大学 大学院 教授、地域創生センター長)
永年培ってきた知識・経験・ノウハウや知恵を生かして社会の役に立ちたい、出来る限り生涯現役でいたいというシニアの期待があります。そうしたシニアの強い意向を反映して、コミュニティ・ビジネスを追及するする「事業型」のNPOが増えつつあります。厳しい世情のなかで、こうした「事業型」NPOへの関心はますます高まっていくものの、その実現に高い壁を感じているシニアネットも多くあります。
そこで、「事業型」NPOとして多方面の活躍をしておられる「横浜コミュニティデザイン・ラボ」の具体的な活動をとおした問題提起と実践に向けた提言をお話しして頂き、参加者全員で「事業型」NPOやコミュニティ・ビジネスへの取り組み方について考えて参ります。
【課題提供者(杉浦 裕樹氏)からのメッセージ】
横浜コミュニティデザイン・ラボは、2003年に地域活性化をミッションとする非営利団体として活動を開始し、コミュニティ・ビジネスを実践しています。事業型NPOとして、組織を運営していくためのポイントを、横浜における地域情報化の取り組みや、地域資源としての「人材」のネットワーキングの取り組み事例を通じて、紹介します。
また、現在取り組んでいる「横浜ストリーム」プロジェクトで構築中の、ソーシャルメディアを活用した地域情報の収集・編集・配信の仕組みを紹介します。
現在、コミュニティ・ビジネスは、まちづくり、子育て支援、テレワーク、NPOや社会起業家の支援、また、環境問題、高齢者問題などの多様な社会課題の解決の手法として期待が集まっています。
ICTをフル活用して、社会課題の解決に取り組む意欲がある地域人材と「つながる」ための方法や、同じ志を持つ団体との知識共有や連携促進を図っていくための取り組み就いて考えていきたいと思っています。
—————————————————————————————
【テーマ4】「企業・行政との協働で地域に活力を」
課題提供者:中村 俊二氏(宇治市総務部次長 兼総務課長)
コメンテーター:井上 文雄氏(NPO法人 仙台シニアネットクラブ 代表)
多くのシニアネットは自ら持てる力をシニアのために、地域のために何かお役に立ちたいと活動を展開しています。シニアネットがその活動をとおして社会に貢献しようとするとき、関係自治体や企業等と協働(コラボレ-ション)して事業を展開することは極めて重要であります。
一方、自治体にとっても、電子自治体や地域の情報化促進等の諸政策を進める上で、シニアネットやシニアの豊富な経験や優れたノウハウを活用することは重要な要素となってきております。シニアネットの提案を政策として実現することも増えてきており、協働による相乗効果は計り知れないものがあります。
そこで、自治体として積極的に協働に取り組んでおられる「宇治市」から課題を提供していただき、参加されているシニアネットの皆さんと、コラボレーションを一層促進するための方策等を考えて参ります。
【課題提供者(中村俊二氏)からのメッセージ】
今地方自治は少子高齢化や核家族化、また自治体をとりまく財政の問題等により、大きな転換点にあると感じています。それは地方自治にとどまらず、国も含めた行政全般にわたり、住民、国民ひとりひとり、そして地域そのものの役割や責任が重くなってきていると感じています。
それと並行して、社会そのものも、情報通信技術の発展等により、行政の機構も物品の販売網など、これまでの縦社会が横社会に、フラット化された社会構造に変化してきています。
そのような社会変革の中で、とても重要なものが二つあると思います。地域の中における市民力とICTです。市民力とICTが結びつき、地域を思う心で地域の活性化に向けた事業を展開すれば、これまでにない新たな地域の絆が芽生えると考えています。
そんな思いの中でのこの数年間の、行政として、そしてNPOのメンバーとしての活動を報告し、皆さんと今後のことを考えていきたいと思います。
—————————————————————————————
【テーマ5】「シニアネット間の交流による相互支援」
課題提供者:中西 建策氏(NPO法人 おおさかシニアネット 理事長)
コメンテーター:高橋 克司氏(NPO法人 とかちシニアネット 理事長)
シニアネットの活動がシニアを元気にし、地域に活力をもたらすものとしてこの10年間活動を継続してきました。この間、各シニアネットはそれぞれに努力を重ね成果を生み出してきました。
これからも、各シニアネットは当該団体のネットワーク化をはかり活動を活性化させることは重要でありますが、これからの10年を展望するときに、シニアネット間のネットワークが重要になると思われます。また、このネットワークを介してシニアネットを支援する仕組みを構築することもシニアネットの活性化と進展に有効かと思われます。
「おおさかシニアネット」から課題を提供していただき、コメンテーターの意見もいただき、参加者全員でシニアネットのより良いネットワーク化のあり方について議論をしたいと思います。
【課題提供者(中西建策氏)からのメッセージ】
「シニアネット間の交流による相互支援」について、おおさかシニアネットの趣旨及び設立の経緯、そして、8年間の活動経験の中で、他のNPO団体との相互支援についての経験談と課題についてお話しします。
お互いの団体の利益につながる場合のみの相互支援は可能であるが、非営利活動での支援及び交流は難しいが現状です。
今後、シニアネット間の交流をどのようなように行うべきかについて課題を提供いたします。
2月18日 特別講演(14:00~15:00)
テーマ「進化するICTを安全に使っていただくために」
風間 彩氏(株式会社 シマンテック コンシューマー事業部門
リージョナル プロダクト マーケティング、 シニアマネージャ)
高度情報化社会が進展する中、ICTはますますシニアの生活に深く関わってきております。シニアにとって、電子メールやインターネットの利活用は今やシニアライフを実り豊かにするものとして日常生活に欠かせない存在になってきております。
しかし、情報機器におけるウイルス、インターネットや電子メールを利用するときに外部よりの攻撃にさらされる機会も増加してきています。
そこで、日々、パソコンやインターネットの安心と安全に取り組んでおられる専門家から、セキュリティに関する最新の情報提供していただき、今後の技術動向を踏まえながら、安全にユビキタス時代のICTライフを送るための示唆をいただきます。