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                                 メルマガ IDN 第74号
                                      Inter Depending Network
                                      2005年 5月 1日発行
              
                                                          
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                                      《第74号のご案内》
 
1.ふれあい充電講演会 
 =第49回(5月23日)「近代数寄者の楽しい交遊…世外・鈍翁・三溪・耳庵を中心として…」の案内
 
2.シニアー情報生活アドバイザー講座
  =東京:第34期・第35期・第36期のご案内
 
3.IT・PC講座  
  =パソコン楽しみ隊:4月の報告と5月の予定
 
4.「楽しくパソコンライフ」〜武兵衛の近況〜
 =第5回:ウイルスソフトによる誤動作に対して
 
5.学生,社会人の進路相談  
 =心臓の鼓動システムを発見した日本人

6.下関支部レポート
  
7.千葉アドバイザーの会「C−PAK」
 =勉強会:4月の報告と5月の案内
8.アドバイザー埼玉の会「シニアドさいたま」
 =第3回シニアドさいたま例会の案内

9.IDN会員募集のご案内 
  =入会を考えている方に(再掲) 
 
10.再開:海外旅行体験話クラブ
 =次回(6月)の予告
 
11.会員のホームページの紹介
 =ブログもOK 自薦・他薦を!
 
12飯塚 渉さん:連載「大江戸こぼればなし」
 =連載第3回:第一章 江戸の名物−その3 かつお(鰹)−
  
13.ふれあい広場
 =アウトドアクラブ たかお会 今後の計画
 
14.編集後記 
 =映画も楽しい 〜映画事始め〜
 
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1.ふれあい充電講演会
■第49回「近代数寄者の楽しい交遊…世外・鈍翁・三溪・耳庵を中心として…」の案内 

 昨年月から11月まで「メルマガIDN」に13回連続して掲載された井出昭一氏の「柳緑花紅」は、東京国立博物館の建物・樹木などの知られざる魅力や、ボランティア活動の実態を詳しく紹介し、読者から好評をいただきました。

今回は、一転して数寄者についての楽しいお話です。

 

講演者からのメッセージ

 明治から昭和にかけて、日本の政界、経済界で中心になって活躍した井上世外(馨)、益田鈍翁(孝)、原三溪(富太郎)、松永耳庵(安左エ門)は、数寄者としても日本の古美術、茶道具に並々ならぬ関心を持ってその蒐集に努めました。それら公私にわたる交遊は、時には師弟、時には友人、時にはライバルと極めて複雑かつ親密な関係で、知れば知るほど興味を寄せられるところです。

今回は、この4人のコレクション、交遊、美術品の移動にまつわる秘話などを分かり易く紹介しようと思います。

 

・テーマ:「近代数寄者の楽しい交遊…世外・鈍翁・三溪・耳庵を中心として…」

・講 師:井出昭一氏(東京国立博物館生涯学習ボランティア)

・日 時:5月23日(月) 午後6時―7時30分

・会 場:東京しごとセンターF 第1セミナー室(定員42)

         千代田区飯田橋3103 0352112307

         (JR飯田橋駅・東口、東京メトロ飯田橋駅A2から分、ホテルエドモント隣)

・会 費:1500円(一般) 1000円(IDN会員)

・懇親会:(講演会の後任意参加)懇親会費2000

・申込み:金田 03-3392-1043  afu@k2.dion.ne.jp

       中川 03-3869-0315  mgt-na37@cilas.net

   

 会場の都合で定員は42名です。〆切は5月16日とさせていただきます。

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2.シニア情報生活アドバイザー講座

■ 「シニア情報生活アドバイザー」養成講座とは
  この講座は、高齢期の生活に密着した、情報技術(パソコンやネットワーク)の楽しい活用方法を教えることが出来る人を養成する講座です。NPO(特定非営利活動法人)「自立化支援ネットワーク」(略称IDN)は、「ニューメディア開発協会」(経済産業省の外郭団体)が認定する「シニア情報生活アドバイザー講座」の養成講座実施団体に指定されています。

■東京:34期・35期・36期のご案内
 下記の講座の受講者を募集中です。毎回土曜日の開催です。
 知り合いのお方でご興味をお持ちの方を紹介してください。
 
第34期:2005年 5月28日(土)〜 6月25日(土)
第35期:2005年 7月  9日(土)〜 8月 6日(土)
第36期:2005年 8月13日(土)〜 9月10日(土)

・会場:TEPIA(財団法人 機械産業記念事業団)
     港区北青山2丁目8番44号(地下鉄外苑前より徒歩4分)
 
東京での開催の詳細は下記でご覧ください
URL:http://www.npo-idn.com/senior2.htm        

 

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3.IT・PCの勉強会

 

■パソコン楽しみ隊:4月勉強会の報告と5月の案内

 4月23日(土)にいつもの品川人材開発センターで5回目の勉強会を開きました。 前半は岡角さんからホームページの仕組みや基本的なタグの使い方、色の表現、参考になるページの利用方法など事例にそってやさしく案内していただきました。日ごろの疑問が解消したり、今までとは一味違うホームページのつくりかたや鑑賞の仕方を考える楽しい時間だったという感想が寄せられました。後
半は外部講師森万見子さんからIT初心者指導の勘どころについてお話を聞きました。ちょうどIT教室を計画している方からタイムリーだったという感想もありましたが、アドバイザーとして今後の活動のなかで参考になるヒントを見つけたという方も多かったようです。

次回の予定です。
・日時:5月31日(火)13時〜16時
・場所:品川人材開発センターパソコン室
・テーマと案内役は後日ご案内します。
・申込み・問い合わせ:武居陽子さん tyoko@inter7.jp

【レポート:國重 誠之さん】

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4.楽しくパソコンライフ」〜武兵衛の近況〜

 

■第5回:ウイルスソフトによる誤動作に対して

 パソコン用ウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」が原因で、23日に相次いだコンピューターのシステム障害発生。信頼されるメーカーの「まさかの障害」、正直驚いた。多くの利用者が被害を受ける形となった。 

 原因は、基本ソフト「ウィンドウズXP SP2」を使用しているパソコンに、23日午前7時30分−午前11時の間にウイルスバスターの更新ファイルを読み込んだ場合、パソコンの中央演算処理装置(CPU)使用率が100%状態となり、動作が著しく遅くなった。原因は更新ファイルを公開前に十分なテストをしていなかった。要はメーカーから送られてきた更新ファイルに問題があった。完全なメーカーのミスである。

 

 23日午前中に私の携帯電話に「パソコンの動作がおかしい」と連絡があった。その時は前述の原因とは知らずに話していた。午後になってもう一人連絡があった。この時点でもこの問題は知らなかった。二人が共通していることは、インターネットプロバイダー、パソコンメーカーに電話しても話中で連絡がとれない。そこで私に連絡されたとのこと。 

 結果は二人とも修復できました。私がソフトメーカーのホームページを見て指示をして上げた。現在はインターネット人口も増え続けて、電話での対応には限界がある。インターネット上のホームページで状況を把握することが大切なようだ。

 

 このウイルスソフトは、今年のシニアフォーラムに出席していただいたので私も愛用していた。このメーカーは、この問題で大きなダメージを受けたことは確かだ。従って、今後は、このようなことは起きないことを信じて使うつもり。

【レポート:小坂武夫さん】

 

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5.学生,社会人の進路相談をいたします

 

心臓の鼓動システムを発見した日本人

 明治39年日露戦争の最中,ドイツへ私費留学した30才過ぎの日本人医学徒がいました。彼は,人間の心臓が死ぬまでに20数億回鼓動しつづけるのはなぜなのか,羊の心臓を解剖してその謎を解明しました。そして「哺乳動物心臓の刺激伝導系」という論文に纏め、発表しました。この発見は1628年、ハーヴェイの「血液循環の理論」以来のスケールの大きい発見といわれ,今日ではノーベル賞を越えるものと評価されています。

 

 彼の名は,田原淳(たわらすなお)といい、明治6年大分県中津市郊外に生まれました。

彼の発見によって,心電計や,循環器系診断技術、ペースメーカーへの応用などで、年間200万人余りの人命が救われています。

日本では,野口英世や,北里柴三郎の名は知られていますが,田原淳は全くといっていいほど,知られていません。

このことに気づいたのは,1976年第5回世界心臓ペーシング電気生理学会が開催され,田原記念展示委員長を勤めた須磨幸蔵先生です。爾来,30年近くにわたって,資料を集め文献を調べ田原淳の業績を研究した結果,この度「ペースメーカーの父・田原淳」として出版されました(梓書院1300円)。須磨先生は、昭和38年日本人医師としてはじめてペースメーカーを施術した心臓外科医で,田原淳の功績を最も知る人であります。

 

 田原淳という一人の医学徒が単身ドイツにわたり,どんなに孤独に耐えて偉大な発見をしたか,明治という時代に医学史はもとより,文化交流,國際関係,師弟関係に及ぶ広くて深い先人の人生を、感動と共に読み通すことができる迫真の名著です。

中学高学年生にも読める様にということで,平易に書かれています。

このように田原淳の偉大な業績の顕彰が契機となって,1997年7月には留学先のドイツマールブルグ大学で「第1回アショフ・田原シンボジュウム」が開催されました。今年は東京で「第4回シンボジュウム」が須磨先生が組織委員長として11月17日(金)から20日(月)まで開催されます。

 おりしも今年はドイツ年に当たります。(久米宏がドイツ大使です)

日独の医学交流が,田原淳によって私たちまでもその恩恵にあずかっていることを思うと、先輩の偉業に対し感謝の念を禁じ得ません。

 尚,須磨先生は今回の出版を期に,IDN賛助会員に入会されました。

【レポート:奈良原理事長】

 

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6.下関支部レポート

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7.千葉アドバイザーの会「C-PAK」

 

■4月度勉強会の報告
・開催日:4月14日

・テーマ:スパイウェアを考える

・プレゼンター:中澤 一さん

・出席者:12名
「お化けメール」騒動後でもあり、スパイウェアの確認、処理等身近な問題として有益な勉強会でした。

■5月度勉強会の案内
・日時:5月12日(木) 14:00〜16:00
・場所:千葉県高齢者生協、佐倉センター2F  
・テーマ:「プリントスクリーンを応用したマニュアル作り」
         プリントスクリーンで保存した画像を、いかに小さく圧縮してマニュアルに利用するか。
・プレゼンター:橋本 秀久さん
・その他:当初は利光がプレゼン予定でしたが日程調整できず、橋本さんにご無理をお願いし、交代して頂きました。
         資料等は橋本さんの指示により、後日ご連絡致します。

・出欠確認:5/7日迄にご連絡をお願いします。
c-pak@yahoogroups.jp 宛て

 

【レポート:利光信爾さん】

 

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8.埼玉アドバイザーの会「シニアドさいたま」

 

■第3回シニアドさいたま例会の案内(再掲)

第3回シニアドさいたま例会を下記の通り開催します。
・日時:平成17年5月13日(金)13:30-17:00
・場所:さいたま市生涯学習総合センター9F学習室1
     シーノ大宮センタープラザ(大宮駅西口)
・内容:
   (1)近況
   (2)山の地図ナビゲータ「カシミール3D」紹介(梅田さん)
   (3)フリーソフト活用紹介(各自)
   (4)ソーシャルネットワーキングについて
・懇親会:計画中
 

当会の活動の一端を下記ポータルサイトでご覧下さい。

http://blog.goo.ne.jp/seniad_saitama

 

【レポート:岩井正三さん】

 

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9.IDN会員募集のご案内

■ IDN会員募集中
NPO(特定非営利活動法人)自立化(相互)支援ネットワークでは、正会員と賛助会員を募集しています。
*会員の方々には、会員の活動状況や情報を掲載した機関誌を、年4回発行し配布いたします。
*会員の方々には、各プログラムの割引が適用されます。
*入会金及び年会費については「入会を考えている方に」を参考にして下さい。
*詳しいことをお知りになりたい方は、eメールで、事務局までお問い合わせください。


■入会を考えている方に(再掲)
  会員になるには,自分の意思(Will)がなんといっても大切です。少なくとも何のために入会しようとしているのか,目的を決めて入るのが賢明です。

  入会の手続きとしては,入会申込書と,入会金の支払いが必要になります。会員には,正会員(主体的に活動を行う会員で,総会の議決権を有する会員)と賛助会員(団体の主旨に賛同し,直接、間接時間の許す範囲内で活動する会員)の二つのタイプがあります。どちらの会員になるかは,やはり自分の意思で決めて下さい。

会費には入会金と年会費とがあります。
入会金は正会員が1万円,賛助会員が千円です。
年会費の方は,正会員が年間一口1万円,賛助会員が一口千円です。
年会費を何口にするかも,ご自身の意思で決定して下さい。

 メール送信先:<
mailto:idn@npo-idn.com>
 ホームページ:
http://www.npo-idn.com/

 

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10.海外旅行体験話クラブ

 

■再開にあたってのコーディネーターのメッセージ(再掲)

「海外旅行体験話クラブ」のコーディネイトをしております、伊藤政弘と申します。
  しばらくの間、お休みをしていたクラブですが、本年3月より再開の運びとなりましたのでお知らせいたします。このクラブは、海外旅行(海外滞在)で経験した貴重なお話を、写真や資料、ビデオなどを加えながら楽しくお喋りしていただくクラブです。肩の凝らない楽しいクラブですので、海外旅行に興味のある方もない方も、ぜひ一度のぞきに来て下さい。ご参加お待ち申し上げます!

【海外旅行体験話クラブの趣旨】
◇海外旅行者の目で見た、外国の習慣・文化・地理などを、楽しく発表し学習します。
◇海外旅行をした際のハプニング・失敗談・発見・感動したことなどを共有します。
◇日本と外国の習慣(考え方)・文化の違いなどを比較しながら社会の学習をします。
◇珍しい体験をされた方の実話や動機、その後の人生観などを共有します。
◇楽しかった「観光ツアー」や「オプショナルツアー」などの情報交換を共有します。
◇色々な生き方があることを学習し、自立した人生へのヒントを探ります。

 

■再開第2回開催予告

 次回の「海外旅行体験話クラブ」は、月を予定しております。

発表者は、羽澄 勝さんと、丸岡 将泰さんの2名を予定しております。

詳しい日時等は、後日このメルマガでお知らせいたします。どんな体験話が飛び出すか大変楽しみです。皆さんのご参加お待ち申し上げます。

 

【参加申し込み先など:コーディネータの伊藤政弘さん ma-itou@bd5.so-net.ne.jp

 

*再開第1回および声までの開催状況をIDNのホームページよりごらんいただけます

 

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11.会員のホームページの紹介

 

■ブログもOK 自薦・他薦をお願いします

 メルマガIDN第69号(2月15日発行)よりホームページの紹介を開始しました。これまでに4名の方のページと「シニアドさいたま」のページを紹介しました。遠慮しないでどうぞ手を上げてください。以下に趣旨を再掲いたします。

 

 会員のホームページを紹介するコーナーを設けます。会員の顔をもっと見えやすくすることが主な目的です。会員相互の交流のきっかけになればと期待します。ご希望のあった方から順次紹介します。簡単な紹介で結構ですから下記あてにご連絡ください。メルマガIDNで紹介したホームページのURLをIDNのホームページに紹介し、リンク集を作ります。

<mailto:merumaga-idn@npo-idn.com>

 

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12.連載「大江戸こぼればなし」 飯塚 渉さん(アドバイザー第20期生)

 

■連載第3回:第一章 江戸の名物−その3 かつお(鰹)−

 黒潮の魚「かつお(鰹)」の本場といえば薩摩の枕崎や四国・土佐が通り相場になっている。にもかかわらず、江戸名物の上位に君臨するのは、江戸っ子特有の気っ風と心意気の全てが、初夏の風物詩「初鰹」への特異なこだわり方(価値観)に反映しているから、と言えるだろう。

 当時、「初物を食うと七十五日長生きする」という諺があって、中でも初物の王者「初鰹」はその十倍の七百五十日(なんと二年!)長生きすると言われていたようだ。 この俗信に何事にも「粋」を標榜して宵越しの銭を持たない江戸っ子の心意気が重なると、「女房、娘を質においても・・」となるものらしい。春たけなわからやがて夏に向おうとする江戸市中に爽やかな薫風が通り抜ける季節感、それ自体も闊達な江戸っ子の心をたまらなく躍らせていたのかもしれない。

 

 「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」(山口素堂)。この句を呪文のように唱えながら、鰹売りが来るのを今か今かと待ち焦がれ、売り声を聞けば競って なけなしの銭も惜しまず買ったようだ。魚河岸近くの橋の上から初鰹の入荷を一晩中見張っていた、という話もあるほど「熱く」なった。 

 「山の手は 食わず 下町 まだ聞かず」。初鰹は下町に先に入るが、ホトトギスは山の手から先に鳴き始めて里へ降りていく。だから、下町で先を争って初鰹を食べている頃には(下町では)まだホトトギスは鳴いていない。かたやホトギス鳴く山の手の武家は「締り」がいいので、解禁日前の鰹なんかに大枚払う馬鹿らしさに、まだ食わない。その対比を揶揄した川柳です。

 

 それにしても気になるのが初鰹の値段。初鰹一本が一両二分という記録が残っているが、高いほうの話では、文化九年(1812年)、魚河岸に初入荷した鰹が十七本。 うち六本は将軍家のお買い上げ、三本は料亭「八百膳」が購入。かくして残りの八本が魚屋に渡り、そのうち一本を歌舞伎の中村歌右衛門が三両で買い、大部屋の役者に振舞った、と蜀山人が書いているそうだ。お金の相場が一両=四分=銀六十匁=銭四千文で、米一升およそ百文、職人の手間が一日五百文、九尺×二間の長屋の家賃が月一千文、そば(もり、かけ)が十六文の物価からアバウトで現在価値に換算すると一両二分はほぼ二十万円、三両といえば四十万円になる。 

 

 ハシリを過ぎれば急激に安くなるのだが初鰹のあまりの高騰ぶりに幕府も何度となく規制をしたそうだ。しかし、全く効果はなかったという。逆らってでも初物に執着する、安い鰹ではシャレにもならない、「神もお上もあるもんか、食いてえもんは食いてえや」と、啖呵が聞こえてくるような話です。銭に糸目をつけず初物にこだわり、武士への反骨も混じる江戸っ子の意地と心意気の風潮こそが江戸の名物たる所以かもしれない。「初鰹 一両までは 買う気なり」(其角)なのである。

 

 生食して旨い鰹は相模灘以東のものとされ、江戸の初鰹は鎌倉、小田原、房州などから「押送船」と呼ぶ八丁艪級の快速船でわっせ、わっせと魚河岸に運び込まれる。活きの良さが全ての初鰹の食べ方は当然刺身であるが、薬味は芥子(からし)で食べたものらしい。仏頂面の女房に「その顔で 芥子をかけと 亭主言い」。また、「初鰹 銭と芥子で 二度落涙」、「春の末 銭へ芥子をつけて食い」など、見栄と痩せ我慢に徹する庶民の様子もリアルに伝わってきます。

 

 「彦次郎が、生きのよい鰹の半身を持って梅安宅へあらわれたのは、それから三日後の午後であった。軒下へ立った彦次郎の頬のあたりを掠めて燕が一羽。矢のように空へ舞い上がって行く。外の治療から帰っていた梅安は、双肌ぬぎで鍼の手入れをし、上方からもどった小杉十五郎は台所の拭き掃除をしていた。(中略) 藤枝梅安が台所の小杉十五郎へ、『小杉さん、こっちへおいでなさい。まだ明るいが、いっぱいやりましょう。ちょうど、いい肴が入ったことだし・・・・』、『いま、まいる』と、台所で十五郎がこたえる。彦次郎が鰹の入った桶を抱えて立ち上がり、『梅安さん、まず、刺身にしようね?』、『むろんだ』、『それから夜になって、こいつ(鰹)の肩の肉を掻き取り、細かにして、鰹飯にしよう』、 『それはいいなあ。よく湯がいて、よく冷まして、布巾に包んで、ていねいに揉みほぐさなくてはいけない』、『わかっているとも』、『薬味は葱だ』、『飯へかける汁(つゆ)は濃い目がいいね』、『ことに仕掛けがすんだ後には、ね。 ふ、ふふ・・・』」(「鰹飯」より)

  

 生きの良い鰹は、刺身包丁を引きながら、身肉の年輪が感じられるくらい引き締まった手応えがあり、切り口が鋭く立つ。腹側の身は皮付きのままにし、一片の中央に浅く飾り包丁を入れた「銀皮造り」が私の好みですが、鰹刺しには木の芽がなければ絶対承知できない。この頃の飲食店ではいい仕事になかなかお目に掛かれないが、若い頃には、腕の良い親方や板前と対面して飲める安い居酒屋がいくらでもあって鰹の季節にはよくこれを注文した。というより、鰹を頼むと向こうから「皮付き? それとも・・」と聞いてくれた。この時期なら筍のあっさりした煮付けも追加注文したいところだ。

 

 往時の江戸っ子を偲ぶということなら、せめて印半纏でも引っ掛けて、ぐーっとやるのは・・・、

 やっぱり初夏に味が冴えるビールになってしまいますが・・・。う〜む、たまらんなあ!!

 

(参考資料)

・ 対談「江戸のおいしさ」 竹内 誠vs杉浦日向子 (「本の窓」(小学館)2002年11月号所収)

・「娯楽の江戸 江戸の食生活」 三田村鳶魚 著 朝倉治彦 編 (中公文庫)

・「仕掛け人・藤枝梅安 『梅安最合傘』―「鰹飯」」 池波正太郎 著 (講談社文庫)

・Webより http://www.tokyochuo.net/sightseeing/uogashi/2004/09/ 

・ Webより 柳屋本店ホームページ「おもしろ話」

・ Webより 老舗の知恵袋「大江戸広辞苑」

 

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13.ふれあい広場
 
■IDNアウトドアクラブ「たかお会」の今年の計画(再掲)
 今年の「たかお会」の計画をご案内します。6月〜9月の間は会員のリクエストの応じた活動を取り上げたいと考えています。
それぞれの実施計画は、実行2週間位前には、E−メール連絡致します。大勢の参加を期待しています。
(冬鳥探鳥会のご要望もありましたが、組み入れる余裕が時間的にありませんでした。夏鳥を空いている月に入れられれば入れたいと考えています。) 
第 9回: 5月中下旬自然観察会宮本森林インストラクター
      神武寺・鷹取山の自然を訪ね、自然観察を行なう。
第10回:10月中旬谷川岳 天神平
      紅葉狩りと「たくみの里」の見学。定期観光バスを利用します。
     
 
■IDNアウトドアクラブ「たかお会」/メーリングリストへのお誘い(再掲)
  IDNアウトドアクラブは自然に親しむことを通じて会員の健康維持や相互の親睦をはかることを目的として発足しIDN-ADF2003で産声をあげたばかりです。活動内容はみなさまのご意見をもとに広げていく計画です。連絡や情報交換のためにメーリングリストを開設しましたのでアウトドアに関心のある方、お気軽にご連絡ください。「お名前」、「メールアドレス」をお知らせください。メーリングリストに登録します。
なお、たかお会に加入したい方、また、活動計画にご意見ご要望がありましたら下記まで連絡ください。
連絡先:   idn-outdoor-owner@egroups.co.jp

幹事:東川・國重
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■「ふれあい広場」について
皆様の近況・IDNに対する意見・催しもの案内・等など内容に制約はありません。
思わぬ出会いがあるかもしれません。
下記のメールアドレスへ自由に投稿して下さい。お待ちしています。
<
mailto:merumaga-idn@npo-idn.com>

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14.編集後記

■映画も楽しい 〜映画事始め〜

映画を見た最も古い記憶は文字も読めない小さい頃に誰かについて行って見た時のこと。映画館が暗くなって上映が始まり、文字だけの画面が延々と続き、2文字になってやっと絵が出ることを期待したら、また文字の画面が続いてがっかりした。今思うと2文字は製作スタッフの紹介の後にでる「出演」という文字だったことになる。

一方、色が飛び切りきれいだった画面の記憶もあり、この映画は「地獄門」だったと思っていた。「地獄門」は衣笠貞之助監督、長谷川一夫主演で1953年に製作されているので、年齢と合致しない。また、邦画の最初の「総天然色映画」は1951年の木下恵介監督による「カルメン故郷に帰る」なので、最も古い記憶の映画は白黒だったことになる。この2つの記憶は正確ではないが、私にとっての映画の記憶の原点にある。

 

 子供の頃に映画を見る機会は、小学校へ巡回で来る映画を講堂で見ることがあったこと、正月やお盆映画を超満員の町の映画館へ見に行った程度である。近くの町では洋画を上映する映画館はなかった。また、私の通った高校は近くの町にあったが、映画館へ行くことが禁じられていた。

そんな時代に、NHKのラジオ番組「映画の時間」をよく聞いた。南部圭之助、双葉十三郎、飯島 正、荻 昌弘、淀川長冶などの解説により、面白い外国の映画があることを知った。

 

後になって大学2年の時に、文学部に飯島 正の映画の講座があることを知り、教室にもぐりこんだ。理工学部の生徒が混じっているのを知っていたと思うが、おとがめもなく講義を聴くことができた。この講座で飯島 正先生は映画の話のほか「俺は最近こんな本を読んだ」と紹介してくれることに時間を使った。また、試写会の切符を持ってきてくれた。「もぐり」も遠慮なくいただいて、京橋の東京国立近代美術館フィルムセンター(当時の正式名称は違ったかも知れない)のライブラリーの試写会などに通い、フランスの無声映画を見た。

 

東京に来て生活になれた頃から洋画を見ることを始めた。新宿伊勢丹の前にあった日活名画座で見る機会が最も多く、最初の頃は洋画1本を見る代金は60円だった。日活名画座では古い洋画の再上映を行っていた。古本屋で「スクリーン」と「キネマ旬報」を年代順に買いそろえて、各年度のベストテンより20位くらいまでをノミネートして網羅的に見た。このような見方をしたのは、「ウエストサイド物語」が封切られた1961年頃(ウエストサイド物語」が封切られた年)より始まった。1年間に103本見たことがある。

 

 社会人になってからはコンサートの方に気持ちが傾いていったが、映画館通いも続いた。築地の松竹で「人間の条件」の全編を特集したことがあり、土曜日の深夜から日曜日の明け方にかけて見たことなども記憶に残っている。【生部】

 

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