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                               メルマガ IDN【第50号】
                                  Inter Depending Network
                                           2004年5月1日発行
              
                                                         
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                               このメルマガは自立化(相互)支援ネットワーク(IDN)の会員
                             の皆様とこれまでにIDNと関わりのあった方にお送りしています
                      お知りあいの方で、このメルマガをお送りしたら喜ばれる方をご紹介下さい
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                                   《第50号のご案内》


1.ふれあい充電講演会
  =4月(第36回):「世界無形文化遺産能楽と謡」の報告
  =5月(第37回):バスツアー「岡倉天心と横山大観を訪ねる旅」案内
  =5月(第38回) :「探鳥への誘い」 予告

2.シニアー情報生活アドバイザー講座
  =第25期:開講の案内(2004年5月〜6月)
  =第26期:開講の案内(2004年6月〜7月)
  *24期の2名の方の受講感想をふれあい広場に掲載しています

3.学生,社会人の進路相談
  =桑嶋雄二さん(アドバイザー第24期):退職と再就職にあたって 

4.下関支部レポート
  =中原郁生遺稿「平家物語・探訪」   第4話「鹿ヶ谷事件」

5.リレー連載 「楽しくITライフ」
  =黒瀬豊さん―楽しく健康管理「自分自身を良く知ること」―

6.パソコン講座の案内
  =Aquaグループ主催のパソコン講座

7.IDN会員募集のご案内
  =入会を考えている方に(再掲)

8.井出昭一さんの新連載 『柳緑花紅』
 =第1回 :ボランティアによる応挙館での茶会

9.ふれあい広場
  =桑嶋雄二さん(アドバイザー第24期生):アドバイザー講座を受講して
  =大橋忠彦さん(アドバイザー第24期生):アドバイザー講座を受講して
  =飯塚渉さん(アドバイザー20期):「同期から同志へ」―立山さんとの私信―
  =IDNアウトドアクラブ:メーリングリストへのお誘い(再掲)

10.編集後記
  =推理小説

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1.ふれあい充電講演会

■4月(第36回):「お謡いを始めて十年」報告
・講師 川本泰生氏 ( 観世流光華会会員 DAA会員 )
・平成16年4月19日 於飯田橋シニアワーク
・講演要旨  
【動機など】仕事一図の生活から幅広い人間形成を目指し、更には来るべき退職後のアクティブエイジングのために始めて10年、全218曲の中やっと30曲を習得した。
【師匠の教え】日本の文化や言葉を大事にする事の重要性、謡いの文章の8割以上が日本語の基本である。会話としての日本語の乱れを正し、美しさを理解すること。

 自分なりの8音階と徐破急を使いこなして"遠くまで聞こえて、しかも近くてもうるさくない"お謡を!
【謡曲とは】世界無形文化遺産に指定された"能楽" (仕舞い、囃子、狂言とから構成)の一部を形成し室町時代に世阿彌が集大成したと伝えられている。 観世、金剛、金春、喜多、宝生の5流があり 曲趣には神、男、女、狂、鬼の5種がある。
私には謡曲の真髄を語る資格など無し、参考書として「隠れ里」「お能老木の花」(いずれも白洲正子著 講談社)をお奨めする。
【謡曲の面白さ、効用など】細川幽斎の「謡曲15徳」の中から紹介すると
    行かずして名所を知る
    軍せずして戦場を知る
    習わずして歌道を知る
    老いずして古事を知る
    薬なくして鬱気を散ず
 特に、最後の「薬なくして鬱気を散ず」を実感している。

講演に続いて、「敦盛」の一節を朗々とご披露していただいた。
日本が世界に誇る伝統文化の一端に触れ、講師の鍛えられた美声に聞き惚れて、感銘深い一刻を過ごした。
    幽玄の 歴史を伝う 謡いかな   和散人        

■5月(第37回):バスツアー「岡倉天心と横山大観を訪ねる旅」案内
  年一度のバスツアーのお知らせです。
今年は、横山大観初め多くの近代日本画の巨匠を育てた岡倉天心の「天心記念五浦美術館」を訪ねて北茨城の景勝の地を訪れます。「一度は行ってみたい美術館だが、単独ではわざわざ出掛ける気にはなれない。誰か企画してくれないかな」という声に応えて企画しました。車中井出昭二さん(東京国立博物館ボランティア)の解説を聞きながら、ご一緒に楽しい旅をしたいと思います。
・日程:2004年5月22日(土)                      
・集合:8時30分
・集合場所:丸の内  新丸ビル南側         
・旅程:いわき勿来ICで降りて
   @勿来の関跡
   A五浦美術館
   B六角堂を見物、観賞
    海の幸の昼食を摂り        
   C野口雨情記念館を見学
    北茨城ICより東京へ
・帰着:18時(予定)
・会費:7000円 同伴家族6500円  (バス代、昼食代、入館料、保険等を含む)   
・ホームページ:www.tenshin-museum.org/
・定員:45人
・申し込み〆切:5月15日        
・お申し込み先:金田 03−3392−1043 afu@k2.dion.ne.jp 
                    :中川 03―3869―0315  mgt-naka@cilas.net
尚、お申し込みの際は、〒住所、氏名、пA年齢をご連絡下さい(保険付保のため)
 後日、参加者には、会費の振込口座をご連絡します。
 又当日は免許証など証明書を持参してください。

■5月(第38回) 予告
  =5月28日に「探鳥への誘い」を予定しています。詳細は後日案内します
   
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2.シニア情報生活アドバイザー講座

■ 「シニア情報生活アドバイザー」養成講座とは
  この講座は、高齢期の生活に密着した、情報技術(パソコンやネットワーク)の楽しい活用方法を教えることが出来る人を養成する講座です。NPO(特定非営利活動法人)「自立化支援ネットワーク」(略称IDN)は、「ニューメディア開発協会」(経済産業省の外郭団体)が認定する「シニア情報生活アドバイザー講座」の養成講座実施団体に指定されています。

■ シニア情報生活アドバイザー養成講座:第25期の案内
第25期はすべて週末の開催です

第1日目 第1講義 2004年05月08日(土)   9:30〜12:30  品川人材開発センター
第1日目 第2講義 2004年05月08日(土) 13:00〜16:00  品川人材開発センター
第2日目 第3講義 2004年05月16日(日)   9:30〜12:30  品川人材開発センター
第2日目 第4講義 2004年05月16日(日) 13:00〜16:00  品川人材開発センター
第3日目 第5講義 2004年05月23日(日)   9:30〜12:30  品川人材開発センター
第3日目 第6講義 2004年05月23日(日) 13:00〜16:00  品川人材開発センター
第4日目 第7講義 2004年05月29日(土) 13:30〜17:00  アクティブワン秋葉原
第5日目 第8講義 2004年06月05日(土) 13:00〜17:00  アクティブワン秋葉原

■ シニア情報生活アドバイザー養成講座:第26期の案内
第26期はすべて土曜日の開催です

第1日目 第1講義 2004年06月12日(土)   9:30〜12:30  アクティブワン秋葉原
第1日目 第2講義 2004年06月12日(土) 13:30〜16:30  アクティブワン秋葉原
第2日目 第3講義 2004年06月19日(土)   9:30〜12:30  アクティブワン秋葉原
第2日目 第4講義 2004年06月19日(土) 13:30〜16:30  アクティブワン秋葉原
第3日目 第5講義 2004年06月26日(土)   9:30〜12:30  アクティブワン秋葉原
第3日目 第6講義 2004年06月26日(土) 13:30〜16:30  アクティブワン秋葉原
第4日目 第7講義 2004年07月03日(土) 13:30〜16:30  アクティブワン秋葉原
第5日目 第8講義 2004年07月10日(土) 13:00〜17:00  アクティブワン秋葉原

・会場:品川人材開発センター
          臨海都市線 品川シーサイド駅徒歩3分
         京浜急行 青物横丁駅徒歩12分

・会場:アクティブワン秋葉原
         千代田区外神田6-15-9
         JR秋葉原より歩10分

ご希望の方は下記へ申し込んで下さい
 <mailto:idn@npo-idn.com>

アドバイザー講座受講感想を「ふれあい広場」に掲載しています

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3.学生,社会人の進路相談をいたします

  「IDNは今年になって会員が100名を越え,シニア情報生活アドバイザーも養成数では120名に達し、全国59実施団体中でトップになりました。これを期に,新旧とりまぜた関係者の皆様に発言(自己開示)の場を提供し、交流を深めながら、ともに切磋琢磨するチャンスを少しでも増やしたいと考え,本欄の模様替えを致しました。
そしてご意見や感想などを,「ふれあいひろば」にお寄せ下さい。(記:奈良原眞吉さん)

■桑嶋雄二(さん(アドバイザー第24期):退職と再就職にあたって                
  昨年末に、会社の早期退職プランに応募して、5年早く会社生活に終止符を打ちましたその後の活動を含め、何方かの参考になれば、との事で、私の経験プラス現在感じ、考えている事をお伝えします。

  会社のプランに応募後、自分がこれからの人生をどのように過ごし、最後に結び付けて行くかを、色々悩み、考えました.私自身は、これからを第三の人生と思っています。第一は学生時代、第二は会社や家庭を中心とした、第三は個人を中心とした生活と、自分流に定義しています。
何をするか?次の勤め、NPO等の活動、ボランテア活動、地域の活動を色々調べました。シニアネットワークフォーラムに参加し、先輩諸氏の活発さ、活動の広さに驚き、NPOでは、「メイク・ア・ウィッシュ」の様に、世界中で病気の人等に望みをかなえる為のお手伝いに感動し、IT分野では、NPOが企業と同等の活動をしている事等も知り、今まで会社しか知らなかった私には、大きな衝撃でした。

  また、地域においても、各市町村が「生涯学習」活動にて、シニアの方々へも含め色々な取り組みを行っている事も知りました。東京都主催のセミナーでは、(私も入っていますが)団塊の世代(3年間)810万人の方々が
今後数年で定年を迎え事、既に「高齢化社会」ではなく、「高齢社会」に入っている事も知りました。別な観点では、NHKでフリータの問題(フリターが710万人)を取り扱っていました。

  さて、勤めですが、私の場合、幸いにも、会社の退職プランの中に「退職後5ケ月間の再就職の為の支援」
があり、退職後、再就職支援の会社に、通う事が出来ました。そこで、幾つかの事を知り,学びました。
・50歳以上は、ほとんど求人が無い、有っても高度な専門職もしくは、高い資格を持っている事
 例えば、外資で経理の管理者、ISOの審査員等です。
・自分の棚卸(性格、自分のスキル、知識、経験、自分環境(家族も含め)等)をして、自分自身を知る事が重要
・新たな勤務は、以前より条件が悪い(若い人は別)
 社員ではなく、1年ごとの契約が多い
・単なる履歴書ではなく、自分を売り込む履歴書(職務履歴書等)が必要
・募集していない会社にも売り込む(募集が少ないので)事も必要
等です。

  私は新しい勤めとして、「今迄の仕事の延長(ITのサポートの仕事)」又は「まったく別の仕事」のどちらかを
考えていました。今迄の延長ですと、5年ぐらいしか勤める事が出来ない、以前と同様のハードワークになる等
で、私の経験を生かしての別な仕事を求めました。また、これからは、直接、人を支援したく思い、「キャリアカウンセリング」に挑戦する事に決めました。5月から講座に参加し、資格の取得を目指します。

  「キャリアカウンセリング」で、行いたい事は3つあります。
   @若い人(学生)には、いろいろな経験を参考として話して、「自分の道」を作ってもらう事です。
  A団塊の世代には更なるチャレンジを一緒にしたいです。
     これからは、「シニアが日本を変える」時代です。
   B「変化の時代」の中で、何かしら、変化を起こしたい

  これらの事を実現できれば、私の第三の人生は「ハッピー」になり、「最後?の花」が咲くのではないかと思っています。

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4.下関支部レポート

■中原郁生遺稿「平家物語・探訪」   第4話 「鹿ヶ谷事件」
 平家物語には、前稿「鱸」の巻で初めて清盛が登場する。出世魚を食した霊験どおり、平家一門は栄華を極めた。清盛登場からわずか10年で「平家にあらざれば人にあらず」と言われるほどの権勢を誇った。その奢りが都人のヒンシュクを呼び、反平家の火種がくすぶり始める。背景には後白河(法皇)と清盛の対立があった。そして、平家物語最大のドラマとして能舞台・歌舞伎などで伝えられる俊寛の悲劇のプロローグ「鹿ヶ谷事件」が起こった。

  京都東山の山腹鹿ケ谷(ししがたに)の僧・俊寛の山荘。後白河を中心に丹波少将成経、平判官康頼(へいほうがんやすより)、俊寛らが平家打倒の謀議をひらいた。参画した一人が清盛に密告して斬首・流罪となった。成経、康頼、俊寛らは、遠く南海の孤島[鬼界ヶ島](硫黄島ともいう。鹿児島から船で4時間)へ流される。その途次、瀬戸内海を西下し時化で立ち寄った所が、周防室積(むろずみ、光市)の港である。

 さて、巻第二の物語を読み進むうち「康頼祝詞」の章で私は大きな衝撃を受けたのである。「康頼はながされける時、周防の室積にて出家してげり。法名をば性照とこそついたりけれ。出家はもとよりの望みなりければ/ついにかくそむきはてける世の中を/とく捨てざりし事ぞ悔しき」(出家はもとからの望みだったので、早く捨てなかったことが残念だ)

  いまから40年も前の若き日、光市室積の「普賢寺」を訪れた際、たしか平康頼という石碑を見た記憶が、この原文に触れて、とつぜん脳裡によみがえったのである。早速、普賢寺に赴き探したところ、やはり思い出の碑は建っていた。当時は説明板もなく、私自身「平家物語」に関心が薄かったので興味を持たなかった。しかし、現在は重厚二層の山門の脇に石碑は安置され、克明に由縁が記されている。

  康頼を調べながらつくづく思った。「平家物語」といえば、勇壮な戦記文学として華美な場面に眼を奪われがちだ。しかし、島流しの俊寛一行が室積に上陸し、康頼がこの地で出家し和歌を詠んだことを思うと、万感胸にせまり、これらの心情があまり人に知られていないのが、残念である。

[追記] 中原郁生さんの原稿に導かれて、武部・青木が普賢寺に取材した。収穫の多いミニ・ツアーだった。ITライフの効験あらたか。機会があれば愉しき取材紀行をご披露したい。
(リライト・武部忠夫さん/写真・青木紀雄さん)

【第一話からご覧になりたい方はこちらをどうぞ】
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5.リレー連載「楽しくITライフ」 

■連載5回:黒瀬 豊(アドバイザー第23期生)―楽しく健康管理「自分自身を良く知ること」―
 
前号における山本政光氏の記述には私も賛同を覚えます。人間も動物の一種で本来は自然の中で「食」を求めて山野を駆け巡る適量の運動を必然的に行い、飽食になることもなくいわゆる「健康管理」の概念はほとんどなかったと思われます。しかし、人間の知恵は今日の近代社会を構成し、社会生活の変化が各個人の肉体のバランスを自分自身が意識せずに大きく変わってしまいます。私が健康にも自信があり会社での中堅としての多忙な業務をがむしゃらに行なっていた時、突然男の厄年42歳で胃潰瘍を患い急遽手術を致しました。

  この時の入院生活で相部屋の患者さんおよび来訪される家族や知人との会話を聞いていると自分自身の健康回復もさることながら家族に与える不安感や生活リズムの乱れ等多くの弊害が現実のものとなってきます。私はこれを契機に毎年人間ドックに家内と同時に入ることと致しました。私に限らず各個人の健康の阻害には大きく2つの要因が考えられます。一つは家系の遺伝子的要因、もう一つは後天的な生活環境から来る要因が考えられます。

  母が3歳の時に胃がんで亡くなり父は早くから糖尿病で苦しみました。結果として私は、心筋梗塞と眼底出血による失明と今日の成人病の爆弾を抱えている状態です。一方、テニス、スキー、山登り等寸暇を惜しんでスポーツを楽しんでいたのが何時の間にか仕事や組合活動に追われ全くの運動不足に落ち入ていました。これが前記結果を招いたことになりました。

  人間ドックの検査結果を昔はワープロに入れデータを管理していました。これでも充分標準値を外れる項目も判り目的を達成できますが、パソコンの活用、特にExcelのグラフ機能を利用すると一目瞭然で傾向が判ります。
  健康管理は現在の状態がどうなっているか一番大事です。このグラフを見ることにより、一つは経年変化によるデータの傾向、即ち「老化」による衰えの動向を知る事ことが出来ます。もう一つは、過去にないデータが突然出てくる生活の急変や体質の変化、あるいは病気の前兆と思われる警鐘が明らかに判ることです。多くの人々は健康診断をその時だけのもので終わらせていますが、実はこのデータの傾向が一番自分自身の生活環境の改善に気が付く基になるのです。お医者さんの忠告はもとより、毎日の食生活や生活習慣をちょっと気を付けるだけで楽しく健康的な生活を維持することが出来ます。

  山本氏も私も病気になって初めて健康に目を向けることになりましたが、是非皆様には平生からの注意を怠らず昨今の高齢化社会を迎え一番は「健康であること」この為には自分自身の現状を良く知っておくことをお勧めいたします。

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6.パソコン講座の案内

■Aquaグループ:パソコン講座
   4月11日の第一回目に続き、5月30日に以下の内容で講座を開きます。
 ・テーマ :ワード活用講座―テキストの作り方―
 ・日  時:2004年05月30日(日)   13:00〜16:00
 ・会  場:品川人材開発センター
               臨海都市線 品川シーサイド駅徒歩3分
              京浜急行 青物横丁駅徒歩12分
 ・定  員:10名(受付順にて締め切り)
 ・料  金:1500円(オリジナルテキスト込み)
 ・締切日:05月28日(金)

  今回の講座は、ワード活用編として「テキストの作り方」をテーマと致しました。ワードの「表作成」、パソコンの「プリントスクリーン機能」等を使い、パソコンの画面を写し取った自分好みのテキストを作成することができます。パソコン活用の一環として参加されては如何でしょうか?

  男性も歓迎します。ご希望の方は下記(三好さんのアドレス)へお申込ください。
otemo@jcom.home.ne.jp

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7.IDN会員募集のご案内

■ 「自立化支援ネットワーク」は
内閣府(旧経済企画庁)より認証を受けているNPO(特定非営利活動)法人です。
自立化(相互)支援ネットワークの目指すもの! 
それは…自分らしい生き方・自分らしい職業を見つけてもらうこと!
同じような悩みを持っている人同士、仲間になって「自立」を助け合い、よりよい社会生活を支援していくことが我々の願いです。
 
■ IDN会員募集中
NPO(特定非営利活動法人)自立化(相互)支援ネットワークでは、正会員と賛助会員を募集しています。
*会員の方々には、会員の活動状況や情報を掲載した機関誌を、年4回発行し配布いたします。
*会員の方々には、各プログラムの割引が適用されます。
*入会金及び年会費については「入会を考えている方に」を参考にして下さい。
*詳しいことをお知りになりたい方は、eメールで、事務局までお問い合わせください。

■入会を考えている方に
  会員になるには,自分の意思(Will)がなんといっても大切です。少なくとも何のために入会しようとしているのか,目的を決めて入るのが賢明です。

  入会の手続きとしては,入会申込書と,入会金の支払いが必要になります。会員には,正会員(主体的に活動を行う会員で,総会の議決権を有する会員)と賛助会員(団体の主旨に賛同し,直接、間接時間の許す範囲内で活動する会員)の二つのタイプがあります。どちらの会員になるかは,やはり自分の意思で決めて下さい。

会費には入会金と年会費とがあります。
入会金は正会員が1万円,賛助会員が千円です。
年会費の方は,正会員が年間一口1万円,賛助会員が一口千円です。
年会費を何口にするかも,ご自身の意思で決定して下さい。

 賛助会員の年会費の口数を決めるに当たっては,以下を御参考にお考えになって下さい。
いまの法律では,一人3千円以上の会費を支払った賛助会員の会費の合計が,その団体の年間経費の25%を越えていれば,その団体(NPO)は、一般の多くの市民に支持されている優良な団体として税務署が認め,その団体に対し一般の人が寄付したお金は、税金を払ったと同じように認められ,納税時に配慮されるという点です。(ちなみに一人3千円未満はその計算の対象にならないということです)

 メール送信先:<mailto:idn@npo-idn.com>
 ホームページ: http://www.npo-idn.com/

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8.新連載:井出 昭一さん 『柳緑花紅』

■第1回:ボランティアによる応挙館での茶会
  東京国立博物館のボランティアによる応挙館での茶会が1年経過して漸く定着してきたようだ。茶会といっても、正式な茶会ではない。東京国立博物館(略称:トーハク…東博…)のボランティアで茶道に関心あるもの10数名がグループを作って、庭園内の茶室で来館者にお茶を点てて差し上げるものである。

  東博の本館北側の庭園内には5棟の茶室がある。その中で最も大きな建物でしかも話題の豊富な応挙館がその会場である。円山応挙の絵があることから「応挙館」と名づけられているが、明治以降の最大の茶人といわれた益田鈍翁所有していた建物である。ここは、佐竹本三十六歌仙絵巻が切断されその抽選が行なわれたところであり、装飾経で有名な平家納経の模本作成のための資金集めの会場、さらには大寄せ茶会のさきがけである「大師会」の発端となったところでもある。(写真は東京国立博物館庭園内の応挙館)

  このように、会場の茶室は歴史的にも由緒あるところであるが、茶会で使う茶道具は残念ながら東博の収蔵品は使えない。東博には松永耳庵が寄贈した茶道具の名品が数多くあるが、これらは収蔵品として登録されていて、ボランティアは手を触れることもできないからである。われわれが応挙館で使う茶道具は、館(東京国立博物館)が新たに購入していただいた稽古用道具で、東博での扱いは「美術品」ではなく「備品」である。東博の茶道具の名品は展示室で見学するほかはない。

  東博で展示品を見てきた方には、応挙の絵を眺めながらゆっくりと休息をしていただき、展示品をまだ見ていない方にはこれから見るためのヒント、見どころ、お奨めの展示室・作品などを案内することにしている。お客様から「本日の流儀は?」と訊かれれば、「東博耳庵流です」と答えている。なぜかといえば、東博庭園内の茶室を使い、松永耳庵のやり方を真似して、流儀、作法に捉われないやり方でお茶を差し上げているからである。茶会グループのメンバーが心がけていることは、季節の香りの豊なお菓子を添えて、心のこもった美味しいお茶を肩苦しくなく、決して形にとらわれず、気楽な気持ちで、静かな雰囲気の中で味わっていただくことである。

   一般の茶会での話題は茶道具が中心であるが、応挙館では、学芸員(研究員)の専門的な解説ではなく、ボランティアの立場での気楽な「茶室トーク」である。すなわち、東博の展示品・収蔵品の話題、東博と関係深い明治以降の数寄者4人のリーダーに関することなどを取り上げている。  
  例えば、井上世外と博物館の創立者町田久成の碑、益田鈍翁と応挙館、原三溪と春草廬、日本画のコレクションとその行方、松永耳庵と春草廬、茶道具の関係など……。さらには、これら数寄者間の交流も興味深く面白い。東博の国宝「孔雀明王図」についての世外と三溪とのやり取り、大井戸茶碗「有楽」に関しての鈍翁と耳庵の競り合いなど話題には事欠かない。

   一昨年秋に、ボランティアだけの試行茶会を開いて以来、館長以下東博職員を来客としてのリハーサル茶会を経て、ようやく一般の来館者対象の茶会を開催するに至ったが、これまでに来館者を対象として開催した茶会の回数は8回、参加者は延べで約800人となった。普段はなかなか入れない庭園内で、しかも応挙の絵に囲まれての茶会は珍しく、参加者の感想は概ね良好のようだ。
   昨年11月1日の「留学生の日」に館側の要請で開催した茶会では、日本文化の集約された姿としての茶会は留学生にとって大変な人気で、整理券を配布すると同時に各席満席になるほどだった。

  現在は、原則として毎月1回、1席約20名で3席ということで開催している。「次回の開催はいつですか?」とか「今まで庭園にも入れなかったのに、庭園内の茶室でお茶を飲めるなんて、まるで宝くじに当たったみたいです」、「次回は他の茶室でも何とか開催していただけませんか」という声もあり好評のようである。
  これからは、開催日数および1日の席数をもっと増加して要望に応えたいところだが、ボランティアの人数不足、制約条件かでの来客の誘導、道具の問題など、解決すべき課題も多く簡単には行かない。参加希望者が殺到した場合は対応しかねるため、残念ながら現在でも積極的な広報はしていない。
日本を訪れた外国人に、東博の展示室で日本の美術品をガラス越しに見学するばかりではなく、日本独特の文化である茶会の雰囲気を実際に体験し、より深く日本を理解していただくのも今後の課題である。                                                                                 

[ タイトルの『柳緑花紅』は、「柳は緑、花は紅、妄想する事なかれ」からの引用です ]
                       
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9.ふれあい広場

■桑嶋 雄二さん(アドバイザー第24期生):アドバイザー講座を受講して
  私の世代は、既にパソコン世代なので、あまりにもイントロ過ぎて、最初は、内容及びテキストに不安を覚えました。ただ、ご指導及び内容が、単なるノウハウものでない事が、判り、見方を少し変えました。

  講座の期間中に、地元で開催されているパソコン教室に参加しました。(シニアネットではなかったのですが)参加者は私の世代の男女ともう少し若いお姉様方々でした。既にある程度進んだ過程で、Excelで、旅行の案内を作成していました。その時に、パソコンがまったく初心者の方も参加して、少し混乱していました。私は、まだまだ、「パソコン初心者」が沢山いる!!」と驚ろき、「パソコン初心者向けの教え方が大切!」もつくづく感じました。今回の講座の大切さを実感しました。

 講義の中で、しっくりいかない点が2つありました。それは、「遠隔サポートの実際」と「バッククァップ」です。私も仕事で、「ヘルプデスク」の経験があり、遠隔サポートの難しさを実感しています。実際のサポートの難しさと講座のレベルが合わないような気がしています。また、「バックアップ」についても記述が少ないと思います。「バッアップのポイント」を加えては、いかがでしょうか?ハードやソフトの障害で,皆さんも苦労したと思います。

 今回は24期ですが、今までの発表資料の中で、各種の手順を教えるものが多々あると思います。もし、(既に存在しているかもしれませんが)シニアネットワークでまとめられたらいかがでしょうか?緒先輩の方々がいろいろな形で作成されていると思いますが、我々の様に、これから「パソコの指導」をする者にとって、とても助かる資料と思います。

  最後に、奈良原理事長及び講師の方々に厚くお礼を申し上げます。また、同期の方々にも、これからも継続しての
お付き合いをお願いするとともに、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

■大橋忠彦さん(アドバイザー第24期生):アドバイザー講座を受講して
  今年3月の初めに、19期の鷲尾さんからこの講座のご紹介を頂きました。私はこの3月に退職する予定でしたから、"自由時間がたっぷりの身分になる"ことだしと思って、早速インターネットで調べ、奈良原理事長さんにお問い合わせしたところ、3月20日から開講することが分かりました。ほんとはリタイアしてから、きりのよい4月からスタートしたいと思ったものの、トントンと話を決めてしまわないと、気後れしたりして、折角のチャンスを逃すことになるなんてことになるかもしれないなどと考え直して、すぐに申込みさせて頂くことにしました。

  一緒に受講した3人の方々は経歴、経験とも「流石にアドバイザーになろうという方たちだなー」と初日の自己紹介ですぐ分かりました。しかも私のように「ヒマになるから受講してみようか」などといういい加減な考えでないことも分かって、反省したりしました。
 この講座はパソコンのスキル・アップが目的でないと予め聞いていたとおり、スキルの講義のウエイトは低いものの、講座が進んでいくうちに、体系的な知識不足を感じて恥ずかしい思いを何度も味わいました。講座が終わった今、先生方からは勿論ですが、3人の同期受講生からもたくさん教えていただいたり、刺激を受けたりしてとても有意義だったと思います。

 特に講座終了後に、奈良原理事長をはじめとして、諸先生、諸先輩が30人近くもお集まり頂いて"打ち上げ"をして頂きましたが、「ほんとに多才の方々だなー」と感心いたしました。上手く試験に合格して、先生、先輩の方々から更にいろいろ教えて頂きながら、皆様のお手伝いができるようになりたいと今は思っています。

■飯塚渉さん(アドバイザー20期):「同期から同志へ」―立山さんとの私信―
  前号メルマガで同期生の立山さんが勇気ある報告(手記)を投稿されました。それを読んで、次の道を求める真摯な努力に感動しながら、会社卒業前後の心象風景やお人柄がよく理解できました。エールを送るつもりでメールをしたためました。

To:立山 健 様    From:飯塚 渉
  その後ご無沙汰しております。
  投稿拝読致しました。ほかでもない立山さんの打ち明け話ゆえ、背筋を伸ばして読ませていただきました。立山さんらしい生真面目な、率直なお話には誠実感が溢れていました。いつか私に、言葉少なに求職中の事情を呟かれたのを覚えています。
 
  永年専念してきた仕事(会社での専門領域)から、納得づくで離れる時には、やり通した達成感や同じ会社・環境で同じように延長することへの「ある種の満腹感」などが相俟って、異分野の仕事へ展開・転進する興味が強くなるものです。 しかし一方で、DNAのように定着している自分の経験や知識が、そのまま別の環境、立場で活かせる道も無意識的に求めているものです。若いときと違って、仕事には、五里霧中より、安心、自信も大切な要素でしょう。生活が掛かっていればなおさらです。
 
  異分野の仕事で自立した人生を送りたいという挑戦意欲も分かりますし、今回、ツボに嵌ったうえに、使命感も持てるお仕事に出会えて「ノリが違う」というやり甲斐感も、両方よく分かるような気がいたします。立山さんが、特殊な分野をご専門とする希少な技術者だということを初めて知りましたが、アドバイザー同期生として、また、地球環境保護を願う国民の一人として、まずは、プロジェクトのご成功をお祈りいたします。 
当分お会いできないのかもしれませんが、お元気でご活躍ください。

To:飯塚 渉 様    From:立山 健
  さっそく拙文をお読みくださり、すばらしい御解説をいただき心より感謝申し上げます。(中略)私の内面すべてを見抜いていただいた、という気持ちで有難いような恥ずかしいような気持ちです。(後略)

長くても年内で終わるその仕事で、現地には1週間程度の出張を数回、国内での忙しさは不明ですが、IDNがらみの集まり(主として飲み会)には参加できるものと思っています。本日の会には生憎行けませんが、次の機会にお目にかかるのを楽しみにしております。ありがとうございました。
(追伸)あまりにも私の気持ちをズバリ表したメールだったので、思わず奈良原理事長にお見せしてしまいました。お許しください。 理事長がこの件で「飯塚さんと話をしたい」とのことです。了解していただけますか?

To:立山 健 様    From:飯塚 渉
  なんだか、先日の立山さんからの御礼の言葉といい、私のメールが理事長まで転送された経緯といい、さらに理事長のリアクションといい、あまりの反響の大きさにいささか仰天し、面食らっているところです。いいえ、迷惑というほどのことはありませんのでご心配なく。

<手記(投稿)を読んで最初に立山さんに反応したメールは、私が感じたことの全てではなく、その後のやり取りをするうちに、もう少し充分に意を尽くしたいと思うようになりました。 奈良原理事長への返信で述べたことも含めて以下にそれを記します>

  立山さんとは各種行事やSF21でいつもご一緒、同期の中でも一番の顔見知りの一人として、親しみも感じておりましたが、その割に今まであまり話し込むこともなく(殆どの方々とも同じですが)、今回の投稿で縷縷吐露された内容から多くの点で、「ああ、そうだったのか」と初めて腑に落ちる思いがあり、同時にその瞬間に、同期生から「同志」という気持ちに変わってメールをしたためました。

  一口で言えば、今はあまり見かけなくなった、大変純情な方、という印象ですが、その点が特に私の琴線に響きました。

  業種も企業規模も全く違いますが、私も永年モノ作りの開発、製造に携わった元工場マンです。モノ作り大国日本の往時は「いい人が良い製品を作る」、「物を作る前に人作りをせよ」、「良い製品設計は技術者の良心」、など、人の人格が仕事の根底に据えられ、純情一途な技術者が沢山育っていた時代でした。
  また、その頃のマネジメント思想の主流も、ヒューマニティ重視の「性善説」に沿うものでした。企業が人間を磨く道場でもあったのです。上司から先手先手で常に前へ押し出され、重くなる責任に人格陶冶を近づけ行動見本を磨くために、必死でヒューマン・マネジメントを追求し、実践倫理まで分け入ったりしたものです。我ながら純粋だったと思います。会社の仕事の中に「天職」を見出せる風土があったからでしょう。経(みち)を営むのが「経営」だと教わり、企業倫理は「信用」の一語に集約されて当然視されつつも絶対の規範とされていました。

  このように人間中心の日本的経営が確立していく過程で育てられた我々世代には、相応の価値観や美学が染み付いていてここ十余年で激変した企業の経営風土からは、乾燥・無機質化という印象を強く受けます。「天職」を見出せる環境ではありません。モノサシが変わって、決算書に振り回され、請求書が背広を着たようなビジネスマンが多くなりました。
  会社員としての晩節に当たる時期に遭遇したこの変化は、自分のアイデンティティーとの違和感が強く、居心地も悪く、場違い感が募る。身の処し方の節目に際して残留の選択肢があっても最終的にその気になり切れない所以です。
  立山さんへのメールの中で私はこの点を「ある種の満腹感」と婉曲な表現をしました。私自身の場合を白状すれば、会社からは定年後の延長勤務を勧められましたがそれを辞退しました。そのココロを正直に言うと、主たる動機は「自分のほうから会社(企業社会)に見切りをつけた」ということです。

  立山さんのような方の誠実な心根に触れると、往時の純情な技術者魂を感じ、この自分と立山さんに共通で等質な部分があるような気がして、ホッとしながらハッピーコールを送りたくなるのでした。今は、いつかゆっくり話したい、という気持ちです。

■IDNアウトドアクラブ()/メーリングリストへのお誘い(再掲)
  IDNアウトドアクラブは自然に親しむことを通じて会員の健康維持や相互の親睦をはかることを目的として発足しIDN-ADF2003で産声をあげたばかりです。活動内容はみなさまのご意見をもとに広げていく計画です。連絡や
情報交換のためにメーリングリストを開設しましたのでアウトドアに関心のある方、お気軽にご連絡ください。

6月4日にたかお会(第3回)「鳥と花とウォーキング」を予定しています
詳細は後日案内は致します。

連絡先 
<mailto:idn-outdoor-owner@yahoogroups.jp>
会員の「お名前」、「メールアドレス」をお知らせください。メーリングリストに登録します。

■「ふれあい広場」について
皆様の近況・IDNに対する意見・催しもの案内・等など内容に制約はありません。
思わぬ出会いがあるかもしれません。
下記のメールアドレスへ自由に投稿して下さい。お待ちしています。

<mailto:merumaga-idn@npo-idn.com>

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10.編集後記

■推理小説
 
私にとっての推理小説の原点は、子どもの頃に読んだ江戸川乱歩の「怪人二十面相」である。明智小五郎と小林少年と少年探偵団の活躍に心をときめかせた。江戸川乱歩により私の推理小説の世界は広がっていった。子どもの頃に「盲獣」という小説を読んで、「怪人二十面相」とのあまりのちがいに驚いたが、後に江戸川乱歩の別の世界があることを知って、「2銭銅貨」から始まって、「陰獣」等の一連の作品を読んだ。

  我が国の推理小説としては、坂口安吾や横溝正史に始まり、松本清張など、お定まりのコースを歩んでで行った。又、江戸川乱歩の名前の由来は、エドガー・アラン・ポーにある事を知り、このことは欧米の推理小説にのめりこむ入り口の一つとなった。世の中には推理小説と名のつくものが無数にある。幸いなことに推理小説の評論の書も沢山ある。最初は推奨されている推理小説から読み始めた。有名とされるものを読み進んでいくと、自然に好みの作家も見えてくる。クロフツの小説に登場するフレンチ警部と、イギリスの国内やヨーロッパを(地図を見ながら)犯人を追って旅行するのは楽しい試みだった。

  数ある推理小説の作家の中で、ヴァン・ダイン(1888−1939)は最も好きな作家のひとりである。ヴァン・ダインはアメリカに生まれ、絵画と文学、劇、音楽に関する評論を書いており著作も沢山ある。(途中の経緯は省略する事として)彼は推理小説を書く事を思い立って、ファイロ・ヴァンスという探偵を誕生させ12編の推理小説を書いた。彼の推理小説の特徴は、「物理的事実と心理的事実とが矛盾する時は、物理的事実の方が間違っている」ということばに代表される。ヴァンスは、「新しい独自の心理学的方法」を用いて、事件を解決する。

  一件矛盾する表現であるが、少し補足してみよう。推理小説の醍醐味は、密室とアリバイであり、物理的事実の代表である。いわば機能的な問題解決の方法といえよう。ヴァンスの推理の方法は、心理的事実にもとづいて推理を進める、演繹的手法である。密室やアリバイが完璧であっても、心理的に見て疑問があれば、物理的事実に隠された事実があると仮定して、推理を進め犯人を追いつめて行く手法をとる。

  ヴァン・ダインは12の作品を世に出したが、12の作品の大半にテーマを設定している。彼の博学が、読者に知的満足を与えてくれる。「カナリヤ殺人事件(ポーカー)」・「僧正殺人事件(チェス)」・「カブト虫殺人事件(エジプト学)」・「ケンネル殺人事件(古代中国陶器と犬)」・「ドラゴン殺人事件(竜伝説と熱帯魚)」・「カシノ殺人事件(ルーレット)」・「誘拐殺人事件(宝石)」・「ウインター殺人事件(スケート)」・「グレイシー・アレン殺人事件(喜劇女優)」。これらのテーマと心理を絡ませてストーリーを組み立てている。

  又、ヴァン・ダインは、推理小説は「一種の知能的ゲーム」として、作者が読者に対してフェアプレイであるために「推理小説作法の20則」を示している。「謎を解くにあたって、読者は探偵と平等の機会を持たねばならない」から始まって、20番目には、「使う事をいさぎよしとしない手法」として10項目をあげている。本のタイトルは6文字にするなど、他の推理小説作家に見られない徹底ぶりである。   【生部】

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