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メルマガ IDN 【第104号】 Inter Depending Network
2006年 8月 1日発行
 
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このメルマガは自立化(相互)支援ネットワーク(IDN)の会員
の皆様とこれまでにIDNと関わりのあった方にお送りしています
お知りあいの方で、このメルマガをお送りしたら喜ばれる方をご紹介下さい
メルマガIDNのバックナンバーをこちらでご覧いただけます
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《第104号のご案内》
 
 1.ふれあい充電講演会
  =第64回(8月29日)の案内 見て、触れて、使って判る「ぐい呑み」の魅力
  =第63回(7月24日)の報告:戦国武将と城郭
 2.シニアー情報生活アドバイザー講座
   =第46期・第47期の受講生募集のご案内
 3.IT・PC講座
  =パソコン楽しみ隊:8月の予定
 4.「楽しくパソコンライフ」~武兵衛の近況~
  =第34回 安いレンタルサーバを使う
 5.学生,社会人の進路相談
  =
自立化支援プロジェクト(IDP)のこれからの計画
 6.千葉アドバイザーの会「C-PAK」
  =勉強会の報告
  =今後の予定
 7.アドバイザー埼玉の会「シニアドさいたま」
 8.IDN会員募集のご案内
   =入会を考えている方に(再掲)
 9.海外旅行体験話クラブ
  =次回9月17日(日)予告
  =海外旅行体験話クラブのメーリングリスト(ML)を設定しました
10.会員のホームページの紹介
11.新連載:井出 昭一さん『平成つれづれ草子』
  =第11回 和歌を楽しむ(2)…万葉歌人の詠む愛の歌…
12.アウトドアクラブ「たかお会」
  =第17回(10月)活動予定変更のお知らせ
  =18年度年間活動計画
13.ふれあい広場
  
=近況報告:山根 正克さん(アドバイザー第27期生)
  =ふれあい充電講演会に関するアンケート結果
  =「アクティブ・オフ会 深川ツァー」の報告
14.編集後記
   =龍のコンサート三昧2006-【4】 ザルツブルグでモーツアルトの室内楽をきく

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ふれあい充電講演会

■第64回
(8月) 見て、触れて、使って判る「ぐい呑み」の魅力
皆様、この夏はいかがお過ごしでしょうか?  8月の講演会は暑気払いを兼ねて開催します
講師は、皆さんおなじみの井出昭一さんです
井出さんのコレクションの中より参加者数の「ぐい呑み」を用意していただきます
皆さんご自慢のお酒を持参されること大歓迎!(久保田の碧寿の1升瓶持参予定の方あり)
清澄庭園の涼亭で
いろんなお酒を井出さん自慢の「ぐい呑み」で味わうことが出来る貴重なチャンスです
もちろん、知的で楽しい陶磁器としての「ぐい呑み」の解説もあります
多数のご参加をお待ちします
     
◆講師の井出昭一氏の言葉
日本全国には多種多様な窯があって、まさに”やきもの天国”です。いろいろな窯で焼かれた「ぐい呑み」を多数持参します。ただ見るだけではなく、手に取って触れてみて、実際に使ってお酒を飲んで、やきものの良さを実感していただきます。”涼亭”で「ぐい呑み」を肴に暑さを忘れたいものです。
◆記
・日時:2006年8月29日
     17時~18時半、その後懇親会
・会場:清澄庭園内 「涼亭」 
     所在地江東区清澄2・3丁目
     管理事務所TEL:03-3641-5892
     アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線「清澄白河」(E14・Z11)下車 徒歩3分
・会費:会員1200円 ビジター1500円  懇親会費 2500円
懇親会への申し込みも明示してください
申込み先: 
*今回のコーディネータは奈良原 眞吉(理事長)です

◆涼亭のご案内
 入場は5時5分前より可能です
 清澄庭園への一般の入園は4時半まで:150円(65歳以上を証明できる方は70円)
 清澄庭園の案内はこちらをどうぞ(最近URLが変更になりました)
 http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index033.html
 写真は清澄庭園の「涼亭」(清澄庭園のHPより)

■第63回(7月24日)の報告:戦国武将と城郭
 講師の三島正之さんは「中世城郭研究会」に設立当時(1971)から参加され、30数年におよぶ研究の成果を踏まえて、中世の城郭や戦国時代の実態を説明されました。
 古文書や記録、及び実際の調査など、豊富な実体験に基ずくお話は迫力があり、戦国時代に対して小説やドラマと異なる新しい見方を啓蒙されました。
今回はアンケートを書いていただきましたので、参加者の感想も参照してください。
 ふれあい広場にアンケート結果の概要を掲載しています。
◆開催データ
 ・日時:2006年7月24日(月)午後6時から7時半まで講演会
      講演会のあと場所を変えて9頃過ぎまで懇親会
 ・会場:京華スクエア 第2会議室
 ・参加者数:13名(講師を含む)
 ・アンケート 対象者:12名 回収数:11名
【レポート:平田信一さん】

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シニア情報生活アドバイザー講座

■「シニア情報生活アドバイザー」養成講座とは

  この講座は、高齢期の生活に密着した、情報技術(パソコンやネットワーク)の楽しい活用方法を教えることが出来る人を養成する講座です。IDNはこれまでに42回の講座を開催し、180名のシニア情報生活アドバイザーを養成した実績を持っています。
 NPO(特定非営利活動法人)「自立化支援ネットワーク」(略称IDN)は、「ニューメディア開発協会」(経済産業省の外郭団体)が認定する「シニア情報生活アドバイザー講座」の養成講座実施団体に指定されています。

■東京:46期・47期受講生募集のご案内
下記の講座の受講者を募集中です。毎回土曜日の開催です。
知り合いのお方でご興味をお持ちの方を紹介してください。 
・第46期:2006年08月12日(土)~09月 9日(土) すべて土曜日
・第47期:2006年09月16日(土)~10月14日(土) すべて土曜日
詳細は下記をご覧ください
http://www.npo-idn.com/senior2.htm

・会場:TEPIA(財団法人 機械産業記念事業団)
     港区北青山2丁目8番44号(地下鉄外苑前より徒歩4分)
ウイークデイの開催や日程の変更のご希望の方も受け付けます。ご相談ください

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IT・PCの勉強会


■パソコン楽しみ隊:8月のご案内
・日 時:8月20日(日)13時~16時
・場 所:品川人材開発センター 第3教室
・テーマ:PC活用情報フリマ
・案内役:國重さん

連絡先:渡辺 延子 さん
   pc-raku@npo-idn.com(担当者用宛先~変更になりました)

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楽しくパソコンライフ~武兵衛の近況~
 
■第34回 安いレンタルサーバを使う
 IT業界は、何でも値下がりが激しい。レンタルサーバもビックリするほど利用料金が安くなってきた。月間使用料金が数千円もしたのが、今では年間3000円前後で利用できるようになった。機能がやや少なくなったものの、我々が普通に使うには全く支障がない。嬉しいことです。
 レンタルサーバについてご存じの方も多いと思いますが、今一度簡単に説明をしておきたい。インターネットを活用されている人は、どこかのプロバイダーと契約されています。契約の中にはメールはもとより、ホームページの作成、ブログの作成等が出来ますが、利用できる全体の容量が50メガから100メガくらいです。
 レンタルサーバの場合は300メガ以上が使えるようになっています。メールアドレスもいくつか自分で好きなアカウントで作成できます。メールアドレスが欲しい。ホームページの容量が少ない。ブログも作りたい。などの考えをお持ちの方には、最近の安いレンタルサーバがありがたい。迷惑メール対策でメールアドレスを変更したい方にはうってつけです。詳しくは、提供しているレンタルサーバのホームページを見てください。
 格安レンタルサーバの比較
 http://www.studio-aro.com/server/kakuyasu.htm

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学生,社会人の進路相談をいたします

■自立化支援プロジェクト(IDP)のその後のお知らせ
7月に予定していました、合宿打ち合わせ(青梅)は、延期とさせていただきました。
次回は、8月26日(土)〜27日(日)一泊二日を予定しております。
【レポート:伊藤 政弘さん】

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千葉アドバイザーグループ C-PAK

■平成18年度 千葉市民自主企画講座「実施団体」に決定
申請書が採択され、C-PAKとして前回に続き2回目の講座受託が決定しました。
・実施時期
 10月2日(月)事前リハーサル  
 10月8日(日)第1回講座~11月13日(月)第6回講座 
 その後、2回に亘り「アフターケア相談会」実施(日程調整中)
・会場:千葉市生涯学習センター学習室
・受講者定員:20名(前回は8名)=今回もシニア対象です。

■勉強会の今後の予定
・8月10日(木):山室さん担当
 予定テーマ(仮称)『アドバイザースキルアップ講座の報告』
・9月14日(木):津田さん担当
 予定テーマ(仮称)『モバイルの使いこなし術』

■「アクティブ・オフ会=深川ツァー」の報告
7月18日(火)に門前中町「魚三」を探検した結果をふれあい広場に掲載しています

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埼玉アドバイザーの会「シニアドさいたま」
活動状況をシニアドさいたまブログをご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/seniad_saitama

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IDN会員の募集のご案内

■ IDN会員募集中
NPO(特定非営利活動法人)自立化(相互)支援ネットワークでは、正会員と賛助会員を募集しています。
*会員の方々には、会員の活動状況や情報を掲載した機関誌を、年4回発行し配布いたします。
*会員の方々には、各プログラムの割引が適用されます。
*入会金及び年会費については「入会を考えている方に」を参考にして下さい。
*詳しいことをお知りになりたい方は、eメールで、事務局までお問い合わせください。


■入会を考えている方に(再掲)
  会員になるには,自分の意思(Will)がなんといっても大切です。少なくとも何のために入会しようとしているのか,目的を決めて入るのが賢明です。
  入会の手続きとしては,入会申込書と,入会金の支払いが必要になります。会員には,正会員(主体的に活動を行う会員で,総会の議決権を有する会員)と賛助会員(団体の主旨に賛同し,直接、間接時間の許す範囲内で活動する会員)の二つのタイプがあります。どちらの会員になるかは,やはり自分の意思で決めて下さい。

会費には入会金と年会費とがあります。
入会金は正会員が1万円,賛助会員が千円です。
年会費の方は,正会員が年間一口1万円,賛助会員が一口千円です。
年会費を何口にするかも,ご自身の意思で決定して下さい。

 メール送信先:<mailto:idn@npo-idn.com>
 
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海外旅行体験話クラブ

■次回予告

次回の「海外旅行体験話クラブ」は、9月17日(日)に開催いたします。
お楽しみに!

海外旅行体験話クラブのメーリングリスト(ML)を設定しました。
tabex@yahoogroups.jp
初めての方も大歓迎です。ご希望の方は下記までご連絡ください。
ma-itou@bd5.so-net.ne.jp
・下記にあります主旨に沿った意見交換
・海外旅行へ出かける前のちょっとした相談
など、楽しさとお役立ちの双方で盛り上がればいいですね。
【レポート:伊藤 政弘さん】

*これまでの開催状況をこちらでご覧いただけます
 

■再開にあたってのコーディネーターのメッセージ(再掲)
「海外旅行体験話クラブ」のコーディネイトをしております、伊藤政弘と申します。
  しばらくの間、お休みをしていたクラブですが、05年3月より再開の運びとなりましたのでお知らせいたします。このクラブは、海外旅行(海外滞在)で経験した貴重なお話を、写真や資料、ビデオなどを加えながら楽しくお喋りしていただくクラブです。肩の凝らない楽しいクラブですので、海外旅行に興味のある方もない方も、ぜひ一度のぞきに来て下さい。ご参加お待ち申し上げます!

■海外旅行体験話クラブの趣旨
◇海外旅行者の目で見た、外国の習慣・文化・地理などを、楽しく発表し学習します。
◇海外旅行をした際のハプニング・失敗談・発見・感動したことなどを共有します。
◇日本と外国の習慣(考え方)・文化の違いなどを比較しながら社会の学習をします。
◇珍しい体験をされた方の実話や動機、その後の人生観などを共有します。
◇楽しかった「観光ツアー」や「オプショナルツアー」などの情報交換を共有します。
◇色々な生き方があることを学習し、自立した人生へのヒントを探ります。
【コーディネータ:伊藤政弘さん ma-itou@bd5.so-net.ne.jp

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*10**********************************************************************

会員のホームページの紹介

【今回はお休み】

■ブログもOK 自薦・他薦をお願いします
 メルマガIDN第69号(2月15日発行)よりホームページの紹介を開始しました。今回までに12名の方のページと「シニアドさいたま」のページを紹介しました。遠慮しないでどうぞ手を上げてください。以下に趣旨を再掲いたします。

 会員のホームページを紹介するコーナーを設けます。会員の顔をもっと見えやすくすることが主な目的です。会員相互の交流のきっかけになればと期待します。ご希望のあった方から順次紹介します。簡単な紹介で結構ですから下記あてにご連絡ください。メルマガIDNで紹介したホームページのURLをIDNのホームページに紹介します。
申し込み先:<mailto:merumaga-idn@npo-idn.com>
これまでに登場した方のURLと紹介文をこちらIDNのホームページでご覧になれます

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*11**********************************************************************
連載 『平成つれづれ草子』 井出 昭一さん

■第11回 和歌を楽しむ(2)…万葉歌人の詠む愛の歌…
 万葉集には、相聞(そうもん)と挽歌(ばんか)があります。相聞は男女の間で贈答された恋の歌です。挽歌は人の死を悼んで詠まれた歌です。男女、夫婦、親子、姉妹兄弟の愛を詠んだ歌、いずれも人が人を愛することから湧き出てきた万葉歌人の素直な感情が表されています。時代をこえて日本人の心を揺さぶり、感動を与え続けてきた歌ばかりです。
日頃、親しんでいる歌を並べて見ました。
注1.読みやすいように句毎に区切り、原文には適宜ルビを付しました。
  2.歌の冒頭には★を付け、(  )内には、巻と歌番号、作者名を表記し、[  ]内は訳文です。
  3.読み方、歌の解釈については、諸説ありますが、私の判断で書いてみました。
  4.間違い、偏見もありますので、ご指摘いただければ幸いです。
 
1.男女のなかをもやはらげる歌
 初期万葉随一の女流歌人額田王(ぬかたのおおきみ)から大海人(おおあまの)皇子(みこ)(後の天武天皇)へ贈った歌です。相聞歌としての最も代表的な歌であり、万葉集を代表する歌としてもあまりにも有名で、どの解説書にも取り上げられています。

★ あかねさす 紫野ゆき 標(しめ)野(の)ゆき 野(の)守(もり)は見ずや 君が袖ふる
(巻1-20 額田王)
[美しく最も高貴な色の紫色を染め出す紫草の野を行き、立ち入りを禁じられている野を行き、あなたがしきりに私に袖を振るのを、野の番人が見るではありませんか。]
 
これに対して、大海人皇子が額田王へ返した歌。
★ 紫草(むらさき)の にほえる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆえに われ恋めやも
(巻1-21 大海人皇子)
[美しい紫草のように匂い立つようなあなたが憎いのなら、もう人妻であるあなたに、私がどうして恋をするでしょうか。]

額田王は天智(てんじ)天皇(てんのう)(中大兄皇子)に対しても次の歌を詠んでいます。
★ 君待つと わが恋ひをれば わがやどの すだれ動かし 秋の風ふく
(巻4-488 額田王)
 [わが君がいらっしゃっていただけるのかと恋こがれて待っていますと、わが家の簾を秋の風が通り抜けてゆきます。]

次は大津皇子(おおつのみこ)(天武天皇の皇子)と石川郎女(いしかわのいらつめ)との間で交わされた恋の歌。
★ あしびきの 山のしづくに 妹(いも)待つと 我れ立ち濡れぬ 山のしづくに
(巻2-107 大津皇子)
[山の木々から雫が落ちてくる所で、あなたを待って立ち続けていました。その雫にすっかり濡れてしまいました。]

★ 我(わ)待つと 君が濡れけむ あしびきの 山のしづくに ならましものを
(巻2-108 石川郎女)
[私を待っていて、あなたは濡れてしまったという、その山の雫になってあなたに寄り添っていたかったのに……。]
 
この石川郎女に対して、大津皇子と皇位継承についてはライバルの関係にあった異母兄弟・草壁皇子(くさかべのみこ)も想いを寄せています。「彼方(おちかた)野辺(のへ)に刈る草(かや)の」は、「束の間」の序詞です。
★ 大名児(おほなこ)を 彼方(おちかた)野辺(のへ)に 刈る草(かや)の 束(つか)の間(あひだ)も 我れ忘れめや
(巻2-110 草壁皇子)
[大名児よ(石川郎女の通称)、私は方時でもあなたのことを忘れることがあるでしょうか。]

続いて、但馬皇女(たじまのひめみこ)と穂積皇子(ほずみのみこ)の許されない恋の歌。穂積皇子は天武天皇の皇子、但馬皇女も天武天皇の皇女で、二人は異母兄妹の間柄。当時は母親が違えば結婚も許されたので、こうした兄妹の恋愛も多かったという。但馬皇女は異母兄高市皇子(たけちのみこ)の妻だったので、その恋は評判だったようですが、そんな噂をものともしないで次のように詠んでいます。
★ 人言(ひとごと)を 繁み言痛(こちた)み おのが世に いまだ渡らぬ 朝川渡る
                        (巻2-116 但馬皇女)
[世間の噂がうるさいので、…女の私が…生れて初めて夜明けの川を渡ってあなたに逢いに行きます。] 

★ 言繁(ことしげ)き 里に住まずは 今朝鳴きし 雁(かり)にたぐひて 行かましものを
(巻8-1515 但馬皇女)
[私たちのことについて、あれこれ噂が多すぎます。こんなうるさいところに住むのは止めて、今朝鳴いていた雁と一緒に飛んでいってしまいた
いのに。]

その但馬皇女が亡くなったあと穂積皇子が哀しんで涙を流して詠んだ歌。
★ 降る雪は あはにな降りそ 吉隠(よなばり)の 猪(い)養(かい)の岡の 寒くあらまくに
                        (巻2-203 穂積皇子)
[降る雪よ。そんなに沢山降らないでほしい。あの人(但馬皇女)が眠る吉隠の猪養の岡は寒いだろうから。]

女流歌人・笠郎女(かさのいらつめ)が大伴家持へ贈った24首の歌群があります。これは個人の歌群としては万葉集最大のものです。激しい思いを寄せながら報われない気持を訴え続ける歌が並んでいます。その代表的な歌です。
★ 我がやどの 夕(ゆう)蔭(かげ)草(くさ)の 白露の 消(け)ぬがにもとな 思ほゆるかも
                         (巻4-594 笠郎女)
[我が家の庭で、夕やみのかすかな光のなかの草に置かれた白露のように、消え入ってしまうほどあなたを思っています。……それにもかかわらず、あなたは……]

これに対して家持は冷ややかです。それに応えた歌2首のうちの1首です。
★ なかなかに 黙(もだ)もあらましを 何すとか 相見そめけむ 遂げざらまくに
                (巻4-612 大伴家持)
[むしろ黙っていた方が良かったのに、なぜ逢ってしまったのだろう。添い遂げられない定めだったのに……。]
 
大伴家持の叔母で、万葉後期を代表する女流歌人大伴(おおともの)坂上郎女(さかうえいらつめ)は、長歌短歌併せて80首あまりが万葉集に採られていて最後を飾る歌人・大伴家持に次いで第2位です。当然、女性としては最多で、万葉集随一の相聞歌の詠み手ともいわれています。大伴旅人の妹で石川郎女の娘でもありますから、大伴家は万葉集の成立に関係している「万葉歌文学」の名家のようです。
大伴坂上郎女が藤原(ふじはらの)麻呂(まろ)の歌に答えて贈った歌。
★ 千鳥鳴く 佐保の川瀬の さざれ波 やむ時もなし 我(あ)が恋ふらくは
(巻4-526 大伴坂上郎女)
[千鳥の鳴いている佐保川の川瀬に立つさざ波のように、私の恋心は片時もやむ時はありません。]

この歌に続いて、「来(こ)」という字を各句の頭に読み込んだ技巧的な戯れ歌も作っています。 
★ 来むといふも 来ぬ時あるを 来じといふを 来むとは待たじ 来じといふものを
            (巻4-527 大伴坂上郎女)
[あなたは、来ようといっても来ないときもあります。今夜は来ないというのでお待ちしませんよ。来ないといわれるのですから…。]

★ 青山の 横切る雲の いちしろく 我と笑(え)まして 人に知らゆな
(巻4-688 大伴坂上郎女) 
[青い山を横切る雲が白くて目立つように、私に微笑み交わして周りの人に知られませんようにしてください。]
 
万葉第三期の代表歌人で大伴家として最初に登場する大伴旅人は、酒を讃むる歌13首が有名ですが、亡き妻を偲んで詠んだ8首があります。その2首。
★ 妹(いも)と来し 敏(み)馬(ぬめ)の崎を 帰るさに ひとりし見れば 涙ぐましも
(巻3-449 大伴旅人)
[妻と二人で来た敏(み)馬(ぬめ)の崎を、帰りには自分独りで見るので涙ぐんでしまいます]
★ 我妹子(わぎもこ)が 植えし梅の木 見るごとに 心咽(む)せつつ 涙し流る
                        (巻3-453 大伴旅人)
[私の妻が生前植えた梅の木を見るたびに、胸が一杯になって涙に咽んでしまいます。]
 
2.夫婦の愛
 仁徳天皇の皇后磐(いわの)姫(ひめの)皇后(おおきさき)が、夫の仁徳天皇への深い愛情を表した4首で、巻2の「相聞の部」の巻頭におかれています。
★ 君が行き 日(け)長くなりぬ 山たづね 迎へか行かむ 待ちにか待たむ
(巻2-85 磐姫皇后)
[あなたが行かれてから、もう何日も過ぎてしまいました。山の中を尋ねて行こうかしら。それともじっと待っていようかしら。]

★ かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の磐根(いはね)し枕(ま)きて 死なましものを
(巻2-86 磐姫皇后)
[これほどまで恋続けていないで、いっそ、高い山の岩を枕にして、死んでしまいたいのに。]

★ ありつつも 君をば待たむ うち靡(なび)く わが黒髪に 霜の置くまで
(巻2-87 磐姫皇后)
[このまま、いつまでもあなたをお待ちしましょう。長く靡いている私の
黒髪が霜のように白くなるまで。]

★ 秋の田の 穂の上の霧(さ)らふ 朝霞(あさかすみ) いつへの方(かた)に 我(あ)が恋やまむ
                         (巻2-88 磐姫皇后)
[私のあなたへの恋心はどこへ消えて行くのでしょう。秋の田の稲穂の上に重くのしかかる朝霧のように、決して消えそうにはありません。]
 
巻14には、「東歌(あずまうた)」が収録されています。これは特定の作者が無く、地方色豊な内容のものが多く含まれています。その中で若い妻が夫を気遣って詠んだ歌2首。
★ 信濃道(しなのぢ)は 今の墾(は)り道 刈りばねに 足踏ましなむ 沓はけわが背
(巻14-3399 東歌)
[信濃の道は、通じたばかりに道ですから、切り株が沢山ありますよ。足を痛めないように沓をはいていってください。私の最愛の夫よ。]
 
★ 信濃なる 千曲の川の さざれ石も 君し踏みてば 玉と拾はむ
(巻14-3400 東歌)
[信濃の千曲川の小石でも、いとしいあなたがお踏みになったものなら、玉として拾いましょう。]
 
3.親の子に対する愛しみ
万葉集に収められた山上憶良の歌は80首あまりで、柿本人麻呂、大伴坂上郎女とほぼ同じです。現代人にも親しまれる歌が多く残されています。家族を大切にする憶良の真面目な性格がにじみ出ている歌です。

★ 憶良らは 今はまからむ 子泣くらむ それその母も 我を待つらむぞ
(巻3-337 山上憶良)
[私・憶良はもう失礼して退席しましょう。今頃は子供が泣いているでしょう。また、その母も私の帰りを待っているでしょうから。]

子どもへの想いを詠んだ歌として止めを刺すのは、憶良の「子等を思ふ歌一首併せて序」でしょう。
★ 瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食(は)めば まして偲ばゆ いづくより 
   来たりしものぞ 眼交(まなかい)に もとなかかりて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ
(巻3-802 山上憶良)
[瓜を食べれば子供のことが思われます。栗を食べればさらに子供のことが思われます。子供はいったいどこから来たものでしょうか。面影が目の前にちらついてとても安眠できません。]

これに続く反歌です。
★ 銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も 何せむに まされる宝 子にしかめやも
(巻3-803 山上憶良)
[銀も金も宝石もいったい何になるでしょう。これに勝る宝といえば、子供以上の宝はありましょうか。]
 誰にも共感を抱かせる内容で心に響く歌です。子を思う歌で、この歌に勝る歌は他にありましょうか。
 
4.姉妹兄弟の愛
姉の大伯皇女(おおくのひめみこ)がその最愛の弟大津皇子(おおつのみこ)を案じて詠んだ歌です。
★ わが背子(せこ)を 大和へ遣(や)ると さ夜ふけて 暁(あかとき)露(つゆ)に わが立ち濡れし
(巻2-105 大伯皇女)
[愛しい弟(大津皇子)を大和の国へ帰すので、私は見送って夜更けまでじっと立ち尽くしていましたら、とうとう夜明けの露に濡れてしまいました。]

★ 二人行けど 行き過ぎがたき 秋山を いかにか君が ひとり越ゆらむ
(巻2-106 大伯皇女)
[二人で越えようとしても越えにくいあの寂しい秋の山を、今頃あなた(弟の大津皇子)は、どのようにしてたったひとりで越えて行くのでしょうか。]
 
大和の都へ帰った大津皇子は、謀反を企てたという罪で殺害されてしまいます。その亡骸は、ニ上山の男岳の頂に葬られました。そこで大伯皇女が詠んだ悲痛の挽歌2首。
★ うつそみの 人にあるわれや 明日よりは 二上山(ふたかみやま)を 弟背(いろせ)とわが見む
(巻2-165 大伯皇女)
[この世で人間である私は、明日から、このニ上山を弟だと思って眺めましょう。]
★ 磯の上に 生ふる馬酔木(あしび)を 手折(たを)らめど 見すべき君が ありと言なくに
(巻2-166 大伯皇女)
[岩のほとりに生えている馬酔木の花を手折ろうとしたところで、それを見せるはずの弟はこの世にいるというわけではないのに。]
 
万葉集には、こんな悲劇を詠んだ歌まで残されているのです。

初回から10回までをこちらでご覧になれます。

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*12*********************************************************************
アウトドアクラブ「たかお会」

■第17回活動予定変更のお知らせ
第17回活動は下記で予定していましたが、都合により1週間後に変更します。
・実施日時:新 平成18年10月21日(土)~22日(日)
        旧 平成18年10月14日(土)~15日(日)
・場所:南志賀山田牧場に泊まって秋川渓谷の紅葉見物と笠ヶ岳登山
なお、10月20日(金)に先行するコースも考えております。

■18年度年間活動計画
たかお会18年度年間活動計画を更新しました。IDNホームページのたかお会ページに掲載していますのでご覧下さい。今年度は宿泊を伴う計画が2回組まれています。この計画のほか、会員のリクエストに応じて中級登山活動を実施する予定です。
それぞれの計画の詳細は、実施2週間前までにメール添付で連絡します。
【幹事:東川・滝村】

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*13**********************************************************************
ふれあい広場

■近況報告:山根 正克さん(アドバイザー第27期生)
 昨年11月に東京から大阪へ転居して来ました。
 昨年は手術・入院のためにシニア情報生活アドバイザーの活動を全く行えませんでしたが、大阪へ転居してからようやくアドバイザー活動を行えるようになりました。
 今年2月に「NPO法人 関西イー・エルダー」へ入会しました。
3月から、時々「大阪市立いきいきエイジングセンター」で開催される60歳以上の高齢者向けのパソコン講座やデジカメ講座のアシスタントを務めています。
 大阪市の各区には老人福祉センターがあり、毎年60歳以上の高齢者を対象としたIT講習会を開催しています。今年も7月下旬から各区で5講座(1講座12時間、定員15名)の講習会が順次開催されています。
この講習会に講師として参加するだけでなく、CM(クラスマネージャー)にも任命されました。CMは各講座の講師スケジューリングと収支計算を行います。現在、8月と9月の11講座を担当し、講師人選で苦労しているところです。
 一昨年8月にシニア情報生活アドバイザーに認定されてから2年、ようやく学んだことを活かせることができるようになりました。忙しいけれども充実した毎日を送っています。

■ふれあい充電講演会に関するアンケート結果
◆選択回答(12名中11名より回答があった)
・講演会のことを知ったのは:メールの案内とメルマガ
・参加した理由は:テーマに興味があった
・開催曜日の希望:土・日を避けたい人が多い
・開催時刻の希望:17時30分が多いが優位な差は見られない
・テーマと講師の希望:今までどおり、動く講演会(鎌倉など)
・本日の講演会について:良かった まあ良かったの合計が80%

◆自由回答(9名)
・歴史物の充電会希望
・城の歴史について、大変参考になった。 実際に見て歩いているので話が迫力があった。
・今迄聞いたことがない内容でしたので興味深く楽しくお聞きしました。 毎回様々なテーマで企画を立てられる方々のご苦労をお察し しますが、いつまでも続けて頂けたら嬉しいです。
・中世城郭研究の魅力がよくわかりました。感謝。
  参加する楽しみ 話題 ~ はじめての話題
               話者 ~ はじめての話者
               会場 ~ はじめてのところ
・今まで知らなかった事を教えられた。
 体験に基づく話が面白かった。
  また、ショッキングな人身売買の話には驚かされた。
・興味のあるテーマで城がどの様なものであったか、わかり易い説明で楽しませてまらった。
 九州博多の元寇の役の土塁はダイエー球場近くから大宰府迄長く設営されているのは現実に見て来て驚いたものです。
 日本各地にたくさんの城郭があり、鎌倉時代以前からも豪族の勢力として築かれたものが散見され面白い分野ですね。
 本日は大変興味深く聞かせていただきました。
 資料等送っていただければ幸いです。(丸岡さん)
・新しい戦国時代の見方が新鮮。 気をつけて山を見てみたい。
・年に6回程度の開催で良い。
・開始時間について:曜日にこだわりませんが、時間を15:00~くらいになりませんか。帰宅も早くて良い。
・話2時間 飲1時間


■アクティブ・オフ会 ~深川探訪『魚三酒場ツァー』~報告
 津田さんの肝煎りで、7月18日(火)、そぼ降る雨にもめげず予定通り行われました。
 ご近所の誼で下見までやっていただいた東陽町住人 津田さん、35年来 この店を贔屓にしている中澤さん、当店は初めてという 知る人ぞ知る粋人(酔人?)生部さん、同じく魚三初デビューの飯塚、の4名が店先に勢揃いした開店(午後4時)数分前には、雨の日にもかかわらず既に十数人の行列だった。

 ほどなく定刻キッカリに、幅2間はあろうかという暖簾が出されて入店。この店の「しきたり(詳しくは後記)」に従い、3階大部屋の 座敷に座る。間髪を入れずオシボリが出されてその場で飲み物のオーダーを訊かれる。突き出しは出ないから乾杯早々にツマミの 注文になるが、おばちゃんは心得ていて「刺身だろう?盛り合わせでいいね」と有無を言わさず仕切って来る。こっちも魚が食いたくて来たのだから、ここまではオババの言うとおりにしておいた。

 刺身盛り合わせが来た。 壁の「吊り書き」には4千円と書かれていたが何人前相当とは書いてなかった。その量たるや恐るべし、のけ反るような分量だ。大皿に載っているネタは12~13種類、切り身は分厚くその全量は1kgにも及ぼうかと思われる重量感。 (中澤さんが撮影の添付写真 参照)
食べても中々減らない刺身の攻略は小休止して、途中から目先を変え、あら大根煮、平目のあら煮、塩辛、めごち天ぷら、その他 へ矛先を向けた。最後の〆めは「潮(うしお)汁」、これ最高!!。メニュー沢山有り。み~んな 安い安い! 高いものはありません。

 飲み物は、冷酒から取っ掛かる人、生ビール大ジョッキから入る人に分かれたがどちらも良く飲み、酒派は「五合徳利」に行き着いた。 店側から予め「6時まで」と言われていたので切り上げたが、居づらくなる空気が無く、何もかも安いので長居をしたくなる店です。瓶ビール、生ビールはあるが、日本酒を飲む人が多い。焼酎は有るかどうか未確認。
 たっぷり飲んで食べて、今回は一人3千円でオツリが来ました。

この店の「しきたり=掟?」
 1、午後4時開店、午後十時閉店
 2、1階、2階はカウンター席のみ=1名客か2名客までの専用。
   3階、4階は座敷=3名以上の客専用。
   全階共 子供連れ客はお断り。
 3、飲み物以外の注文は、自分で伝票に品名を記入して渡す。
   口頭で頼んでも受け付けない。
 4、注文(酒でも肴でも)のコツはタイミング良くオババを捕まえること。
   
津田さん、お骨折り誠にありがとうございました。
今後、機会を見て、ツァーPart-2、Part-3、が企画される筈。その節は、皆さん奮ってご参加下さい。
【レポート:飯塚 渉さん】

■「ふれあい広場」について
皆様の近況・IDNに対する意見・催しもの案内・等など内容に制約はありません。
思わぬ出会いがあるかもしれません。
下記のメールアドレスへ自由に投稿して下さい。お待ちしています。
<mailto:merumaga-idn@npo-idn.com>

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編集後記

■龍のコンサート三昧2006-【4】ザルツブルグでモーツアルトの室内楽をきく
 6月5日の9時半にベルリンのテーゲル空港を発ち、フランクフルトで乗り換え1時半過ぎにザルツブルグへ到着。タクシーで旧市街のホテルへ向かう。旧市街へ近づくと人の多さに驚かされる。人の波を掻き分けてタクシーは進んだが、ホテルから離れたところでタクシーを降ろされた。バッグを転がしてホテルに到着。

 チェックインを済まして部屋へ案内してもらいすぐに、フロントへ引き返して早速その夜のコンサートの相談をする。出発前に調査をした中から順に電話で確認をしてもらうことにした。日本で出発前に予約を入れることも可能だったが、あえて現地でチケットの入手を試みた。5日の夜については幾つかの候補があったが、ディナーコンサート(観光客向け?)を避けて室内楽のコンサートを選択。最初に電話してもらったコンサートのチケットを難なく入手することが出来た。

 しばらく休んで、旧市街地の散策に出かける。ひとが一杯あふれているゲトライデ通りを数分歩いてモーツアルトの生家の前へ行く。建物の黄色い壁面のプレートには、モーツアルトミュージアムという文字の下に、モーツアルトの生年月日が1756年1月27日と記されている。

 モーツアルト小橋のひとつ上流のシュターツ橋を渡り、北方にあるミラベル宮殿に足を伸ばす。ミラベル宮殿は1606年にルネサンス様式として建てられ、当初の「アルテナウ」という名前から後に変更された。1720年代に改装、1818年に火災により当初の姿をとどめていない。
 修復された後、市役所や市立図書館として利用されている。ミラベル宮殿には、シンメトリーにデザインされた屋外の美しい庭園がある。「サウンド オブ ミュージック」でマリアと子供たちが「ドレミの歌」をうたいながら駆け上がって行くのが、この庭園の階段である。ミラベル宮殿内のバロック様式の大理石の間「マーブルルーム」がその夜のコンサートの会場である。

 コンサートの会場が確認できたてひと安心。建物を背にして庭園の奥に見えるホーエンザルツブルグ城砦を望む。素晴らしい景色を見て旧市街に戻り、モーツアルトが洗礼を受けたと言われている大聖堂などを見てホテルに戻った。

 6時頃から旧市街地のレストランで夕食をとり、ミラベル宮殿へ出かけた。コンサート会場である「マーブルルーム」は、世界で最も美しい結婚式場として人気が高いそうだが通常は公開されていない。天井は高く、壁面には金のレリーフがふんだんに使ってある。今回の旅行で見た他の幾つかの宮殿で贅の限りをつくした「黄金の間」と言われているものに近い。

 この夜のコンサートはタイトルに「Salzburger Schlosskonzerte」と書かれており、ザルツブルグ ゾリステンのメンバーによるモーツアルトの室内楽で構成されていた。パンフレットにある英語の説明によると、ザルツブルグ ゾリステンは1979年にL.レスコヴィッツにより設立され、若手の室内楽演奏者に演奏の機会を与えるのも設立の目的とされていたそうである。

プログラムの順序が変更されて、下記の3曲が演奏された。
・ディベルティメント変ホ長調KV563(ヴァイオリンとビオラとチェロによる) 
・ピアノと2つバイオリンによる三重奏曲 KV448
・ピアノ四重奏曲第1番ト単調 KV478 (バイオリン ビオラ チェロ)

 マーブルルームは天上は高く壁面は大理石の仕上げで、壁の上部はガラスの窓になっており、下部には暖炉がしつらえられている。彫刻もたくさん置かれ、壁と天上のつなぎ目の曲面には画が描かれている。ホールに入ったときの第一印象では、音が響きすぎるのではと心配したが、聴衆(約150人程度)が入って演奏が始まると杞憂であることがわかった。

 8時に演奏が開始され、ディベルティメントが終わって休憩に入る。壁面の上部の窓からは外の明るさが見て取れる。15分ほど休んで演奏が再開され、9時ころになるとやっと日が暮れて窓のガラスが鏡に変わる。そのうちに稲光が窓から見えて、雷の音がして雨が降り出すのがホールの中からもわかった。

 外の激しい雷鳴にも気にすることはなく演奏は進められた。L.レスコヴィッツさんは常に登場しており、彼の人柄と姿勢もあってか、演奏は奇をてらうこともなく、また遠慮があるわけでもなく、落ち着いてきくことの出来るものだった。宮殿の黄金の間で、土地の音楽家たちの演奏で、モーツアルトの室内楽をゆっくりと聴くことができたのは大変良かった。

 ベルリンからウィーンへ直行しないで迂回する計画は成功だったと思いながら、モーツアルト小橋をわたり、昼間の喧騒がうそのような旧市街を歩いてホテルに戻った。【生部】

編集後記集のあるURL
http://www15.ocn.ne.jp/~ryuss/

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